【刀剣乱舞】妖物語 (ページ11)

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104.怖い話ページ11

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『あ、青江さん……？』

「君のお婆さんの件以来だね」

『えっと……』

「ああ、もう君には敵視は向けないよ。今はただ僕は純粋に仲良くしたいだけだよ」

そう言って青江さんは私の頭のぶつけた場所を撫でると何故か青江さんと鶯丸さんに挟まれた状態で私は座り直された。片目と片目に挟まれた片目は側から見ればなんらかのトリオに見えるだろう。

「そういえば怖い話が聞きたいんだっけ？」

「言った覚えはないけどな。でもお前の怖い話は現実味があって怖いと平野の兄弟から聞いたぞ」

「なんなら、とっておきのを聞かせてあげようか。あ、もちろん怖い話のことだよ」

『(怖い話の他に何があるというのだろう)』

というか自然的な流れで怖い話をすることになっているけれど、私は幽霊という類いは正直言って苦手である。

触れないし、驚かされるし、怖い。

「これは本当にある話」

『え』

「ん？」

『普通そこは本当に＂あった＂話なんじゃ……』

「現在進行形だから仕方ないよ」

『え……』

「怖いなら俺の腕を掴んでてもいいぞ」

まさかの現在進行形の怖い話に絶望した私は鶯丸さんの言葉に甘えて袖を掴みながら青江さんの話に耳を傾ける。

「それの名前は＂嫉妬魔＂っていうんだ」

『嫉妬魔……？』

「何もかもに嫉視して、周りものが邪魔だと思えてしまう。それはなんでもないような顔をして裏では腹の中で真っ黒な感情を浮かべているのさ」

『真っ黒な感情……』

「それはもう君に接触しているよ」

『え』

「最近いないかい？最初は敵視されていて自分の前には現れなかったのに今になって現れた刀剣男士」

『あ……』

「それはもちろん僕達も例外ではないだろうね」

これが、本当に、本当なのだとしたら……

「今か今かと、待っているのさ」

味方になってくれたと思った誰かは、

「君を排除するのを」

……私のことを敵視しているということになる

もしかしたら私が袖を掴んでいる鶯丸さんかもしれないし、突然現れた平野くんかもしれないし、青江さんが自分のことを話しているかもしれない。

『(……あれ？)』

そういえば＂あの子＂も私に突然話しかけた。

……ダメだ、疑ってしまう。

『……青江さんは意地悪ですね』

「そうかい？」

『そんなに、私に不信感を抱かせたいですか？』

私がそう言うと青江さんは目を細めた。

「さあ？それはどうだろうね」

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