89.刀物語 其ノ玖 ページ43
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骨喰藤四郎
ぼーっと見ていた。
縁側から、粟田口のみんなが遊んでいる姿を。
兄弟がいるのってどんな感じなのだろうかとか面倒見の良い兄がいるのは少し羨ましいなとか、
……私も、兄か姉が欲しかったなとか
すると骨喰さんと目が合う。
私は手を振ると何故か骨喰さんは私のもとに駆け寄って来た。
『……骨喰さん？』
「呼んだか？」
『え？』
「？」
『……あ！すみません呼んでいるつもりはなかったんです！』
「……そうか」
せっかく兄弟と遊んでいたのに邪魔してしまった私は骨喰さんと謝ろうとするが何故か骨喰さんは私の隣に座った。
「休憩」
『あ、ならお茶を淹れて来ましょうか？』
「いい。あんたは隣に居てくれ」
お茶を淹れて来ようと立ち上がろうとすれば袖を掴まれ骨喰さんにそう言われたので大人しく座る。
そういえば刀剣男士にとって審神者の傍は落ち着くと以前加州さんに言われたことを思い出す。霊力が彼らにとって癒しの空気だとかなんとか。
『やっぱり霊力は落ち着きますか？』
「落ち着くが……」
『？』
「あんたの隣も落ち着く」
骨喰さんの素直さに呆気を取られてしまう。
普段は無表情で綺麗でかっこいい骨喰さんだけれど今では頬を少し桃色に染める骨喰さんがどうしようもなく可愛い。胸の奥がキュンと鳴いた気がした。
「……そういえばなんでさっき俺を見てたんだ？」
『あ、えっと……実は骨喰さんだけではなく粟田口のみんなを見ていたんですよ』
「兄弟を？」
『兄弟が多いと大変だと思いますが少し羨ましいなと思って』
「羨ましい？」
『私、一人っ子なんです。だから兄弟がいる人達が少し、いや凄く羨ましいなと思ったんです。兄弟喧嘩も憧れますし褒めてくれるお兄さんやお姉さんも欲しかったんですけどね……』
今はもう不可能。来世に期待するしかない。
すると骨喰さんが私の頭を撫でた。
『……骨喰さん？』
「……っ！す、すまない不躾だった……でも、俺はあんたの兄ではないが褒めてやることぐらいは出来るぞ」
そう言った骨喰さんは眉を下げて微笑んだ。
こんな綺麗な兄がいたら私は絶対周りに自慢しまくるだろう。それ程私には勿体ない、優しい人だ。
『では私が何かやり遂げた時はうんと褒めてくださいねっ』
「ああ」
『そして私は骨喰さんが何かやり遂げた時はうんと甘やかしてうんと褒めますねっ』
「……ああ、期待に応える」
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冬雪(プロフ) - たまごやきさん» コメントありがとうございます。毎回題名が変わる小説ですがこれからも読んでいただけると幸いです (2019年6月9日 9時) (
レス) id: 319301ee3c (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - こんにちは。今までコメントしていなかったのですが、いつも作者様の作品を読ませて頂いてます。あんスタの方から読み始めたのですが、どちらもとても引き込まれてしまいとても好きです。これからも作者様のペースで更新してくださると嬉しいです。 (2019年6月9日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 幸別愛友さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - すごくいいお話です…(*´^-^`*) その文章能力わけてほしいくらいです…(>д<。) これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2019年5月25日 12時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 瑠花さん» 他人が作ってしまうと自分が作った物語が思い通りにいかなくなります。誰も語彙力がないことを馬鹿になんてしませんよ。馬鹿にする方が馬鹿なんですから (2019年5月24日 22時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年5月20日 21時
