73.間違い ページ27
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振り向くと刀を持った堀川さんが立っていた。
「……国広」
「今回の主は言葉の使い方が上手なんだよ。だから口車に遊ぶように乗せられちゃうのかも」
堀川さんは笑っているけれど目が笑っていない。
堀川さんからとてつもない程の殺気を感じ、動けないでいると、身体の中から出した刀を持った今剣くんが私の前に庇うように立って刀を構える。
『今剣くん……！』
「さがっててください！たたでさえあなたはむりょくでどんくさいんですから」
『(無力はいいとして鈍臭い……)』
「あれ？今剣くんも口車に乗せられたの？」
「かんちがいしないでください。あなたにこれいじょう��ひとごろし��をさせないためです」
「人殺し？人を斬って何が悪いの？僕達の本分は刀なのに」
すると堀川さんの顔に見たことがあるヒビが浮き出てくる。
『(今剣くんに浮き上がったヒビと同じ……)』
「主さん」
『！』
「……ずっと見てました。兄弟に相談している時や兼さんの本音」
『堀川さん……』
「僕、偵察得意ですから……でも、予想外でした。まさか兼さんが今の僕を嫌いだなんて……」
「国広……」
「……やっぱり、僕だけ違うから？」
刹那、禍々しい空気が私を襲う。まただ。またこの息苦しい空気に私は立っていられなくなり、その場に座りこんでしまい激しく咳き込む。
『ケホッ……ケホケホっ！』
「あるじさま！」
頭が痛い。痛くてどうしようもない。
「主！！」
すると加州さんの声が聞こえた。縁側の方に顔を向けると此方に手を伸ばしてくれるため、手を取ろうとした時だった。
「危ねぇぇぇえええ！！」
和泉守さんの声に振り向くと、すぐ目の前に殺気を剥き出した堀川さんが私に斬りかかろうとした。
ザシュッ
身を斬る音が耳に響いた。
『和泉守さんっ！！』
和泉守さんが私を庇って代わりに斬られてしまい、彼の脇腹から大量の鮮血が溢れ出す。
私はすぐに手に力を込めて彼の刀に触れてすぐに傷を癒す。
「……な、なんで？」
『！』
「なんでその子のこと庇ったの……？兼さん」
『堀川、さん……』
「僕が……僕が間違ってるの？そんなの、そんなの可笑しいよ」
今にでも崩れてしまいそうな足取りでふらふらと後ろへ退がる堀川さんは両手で自分の頭を抑える。
「まずい……！主、堀川を止めて！」
『え……』
「ああぁぁぁぁぁああああああぁぁあああっ！！」
それは、耳を塞ぎたくなる程の悲痛の叫びだった。
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冬雪(プロフ) - たまごやきさん» コメントありがとうございます。毎回題名が変わる小説ですがこれからも読んでいただけると幸いです (2019年6月9日 9時) (
レス) id: 319301ee3c (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - こんにちは。今までコメントしていなかったのですが、いつも作者様の作品を読ませて頂いてます。あんスタの方から読み始めたのですが、どちらもとても引き込まれてしまいとても好きです。これからも作者様のペースで更新してくださると嬉しいです。 (2019年6月9日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 幸別愛友さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - すごくいいお話です…(*´^-^`*) その文章能力わけてほしいくらいです…(>д<。) これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2019年5月25日 12時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 瑠花さん» 他人が作ってしまうと自分が作った物語が思い通りにいかなくなります。誰も語彙力がないことを馬鹿になんてしませんよ。馬鹿にする方が馬鹿なんですから (2019年5月24日 22時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年5月20日 21時
