72.理解者 ページ26
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「くるいましたか��いずみのかみ��！！」
刹那、私と和泉守さんの間に陸奥守さんが割り入って来た。
体勢を崩した私は後ろへと倒れてしまうが今剣くんが間一髪で私の身体を支えてくれた。
「……チッ」
「おんしはアホか！？なんで正常と異常の判別がつかんのじゃ！」
「わかんなくなるだろ！？前代がいなくなったせいで普通なんか忘れちまったよ！政府の奴らが審神者が正しいなんて俺達に教えるから……っ……なにが正常でなにが異常なのか……もうっ……わかんねぇんだよ！！」
和泉守さんは涙を流した。
……私なんて、いない方が良かったのかな
骨喰さんと同じように、彼らを傷つけてばかりの私なんて、知らないことばかりの私なんて、いらなかった。
また目尻が熱くなる。
「何が正しいかなんて、わしにもわからん。わしは顕現されたばかりの身じゃからの。でもわしは思うのじゃ��幸せと感じる時が正常��なんじゃと」
「……！」
「わしは今幸せぜよ。だってこがにもわし達のために動こうとする女子が今の主なんや。知らんことを恐れ、傷つけちゅーんやないかと不安になったっちゅーところを見たらわしゃこいつに手を差し伸べたいと思っちゅー」
『……陸奥守さん』
「ええか？今のおんしの主はこいつじゃ。それを理解すりゃなんの心配もいらんやろ」
陸奥守さんの言葉に下を向いてしまう和泉守さん。
私は立ち上がって和泉守さんに手を伸ばして彼の手に触れた。虚ろな目で私を捉える。
『……私も、和泉守さんと同じです』
「は？」
『環境が変わって何が正しいのか解らない。貴方達のことを知らないから殺されそうになったり、怖いこと沢山ありますけれど私は、祖父が遺してくれたこの世界を大切にしたいんです』
「嬢ちゃん……」
『陸奥守さん』
「お？」
『私、貴方に救われたような気がします。少しでも私を理解してくださり、ありがとうございます』
そう言うと陸奥守さんはニカッと笑った。
『私が全て直します。淀んだ空気も、赤く見える月も、霞んだ視界も全部正常に直します』
「そんな脆そうな身体で出来んのかよ……」
『私一人じゃ無理です。貴方も協力してください』
「……っ」
『そうすれば、全部正常に直せば、やっと私は貴方達の主になれるのですから』
私の言葉に顔を上げる和泉守さん。
そして私に恐る恐ると手を伸ばした時だった。
「駄目だよ、兼さん」
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冬雪(プロフ) - たまごやきさん» コメントありがとうございます。毎回題名が変わる小説ですがこれからも読んでいただけると幸いです (2019年6月9日 9時) (
レス) id: 319301ee3c (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - こんにちは。今までコメントしていなかったのですが、いつも作者様の作品を読ませて頂いてます。あんスタの方から読み始めたのですが、どちらもとても引き込まれてしまいとても好きです。これからも作者様のペースで更新してくださると嬉しいです。 (2019年6月9日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 幸別愛友さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - すごくいいお話です…(*´^-^`*) その文章能力わけてほしいくらいです…(>д<。) これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2019年5月25日 12時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 瑠花さん» 他人が作ってしまうと自分が作った物語が思い通りにいかなくなります。誰も語彙力がないことを馬鹿になんてしませんよ。馬鹿にする方が馬鹿なんですから (2019年5月24日 22時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年5月20日 21時
