38.序幕 ページ40
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『ふぅ、美味しかったです』
「それはよかったねー」
『お昼も済んだことだし今度は何しましょうか』
燭台切さんと歌仙さんが作ってくれたお昼を食べて片付けをして加州さんと縁側に座りながらお茶を啜ってホッと一息ついてのんびりする。
今はみんなそれぞれ行動しているけれど私に罪悪感を持っているのかチラチラと此方を見る人もいる。
『加州さん何が欲しいですか？』
「え、俺に聞くの？」
『勿論みんなの要望も聞くつもりです。でもまずは助けてもらってばかりの加州さんに何かあげたいなと思いまして』
「それなら爪紅かなー」
『爪紅？』
「現世ではマニキュアって言うらしいね」
男の人なのにマニキュア塗るの？、と言おうとしたが必要以上にツッコミを入れるのはやめておこう。
そして想像以上に加州さんが女子力高いことに女として負けた感じがするので私も少し勉強しよう。
「やる事沢山あるけど平気？」
『そうですねぇ……まずは掃除をして、本丸を建て直して、当番とか決めたりもして、出陣とか演練に行ったり、あと遠征とかもあるらしいですし、その前に部隊を組まなくてはいけないんですよね？それもやらないとですし』
「だからって一気にやろうとしないでよ？」
『大丈夫です。それに大変だなぁとは思いますけど楽しみだなぁとも思うんですよ』
三月ももう少しで終わる。
春休みもあと半分で終わってしまう。
ずっと私は平凡に生きてきた。毎年皆勤賞を狙っていたし、友人関係もグループなんて作らずに個人で仲良くして、目立たないようにひっそり生きて。
そんな私に春休み前に起きた出来事は本当に突破で現実味がなくドキドキハラハラして。そして退屈と思っていた日々が楽しいと感じたのです。
「……泣きたい時とか悩んだ時とかはさ、俺に言いなね？」
『あ、それさっき鯰尾くんに言われました』
「はぁ！？アイツ何抜け駆けしてんの！？」
『��相談相手なら俺がうってつけ！��と言われたので』
「了承しちゃったの！？」
『はい』
すると床に項垂れる加州さん。
そんなにショックだったのだろうか。
『で、でも鯰尾くんが居ない時は真っ先に加州さんに』
「マジ！？」
『反応早っ』
満足そうに笑う加州さん。それがなんだか可笑しくて私も笑う。
なんだか凄い始まり方だけど、ここから始まりなんだよね。今までは序章の序章で、ここから始まる。
私の物語が
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
