■118.男と女の差 ページ20
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轟「これ美味いな」
『食べたことないんですか？』
轟「食べたことはあるけど蕎麦以外あんま興味ねぇから」
そう言ってクレープを頬張る轟くん。
人通りが多い商店街にぶらりと来た私達はクレープ屋のおばさんに呼びかけられ流されるまま私達はクレープを購入した。
轟くんはおばさんに気に入られたのかトッピングを多めにオマケしてもらっていた。
『(顔が良いと得するんだな)』
轟「白野のも美味そうだな」
『１口食べますか？』
轟「いいのか？」
『どぞ』
私のチョコバナナクレープを差し出すと意外と轟くんの１口が大きく目を張ってしまう。
前々から口が小さいと思っていたが、やはりそこは男の子なんだと実感させられる。
『(自分の食べた痕と比べると全然違うな)』
轟「俺のも食うか？」
『あ、じゃあ１口』
轟くんのはイチゴクレープで、口に含むとイチゴ特有の甘酸っぱさが口内に広がる。
轟「……」
『どうしました？』
轟「お前１口小さいな」
『そうですか？遠慮せずにかぶりついたつまりだったんですがね』
轟「……」
『まぁ男と女の差ってやつですね』
私がそう言うと「子供はあんま差がねぇのにな」と呟く轟くん。
『子供ですか？』
轟「子供の頃は同じくらいの背丈で、力も同じくらいなのに、なんで成長しちまうと男がでかくなって女が小さく見えるんだろうな」
『場合によっては女の人のほうが大きい時もありますがね』
轟「たしかに」
『まぁでもたしかにわかります。弟も私より小さかったのに今では同じぐらいの背丈で、いつか身長を追い抜かされてしまうのではないかと思うと焦りすら覚えますね』
クレープを食べ終えて、包み紙を近くにあったゴミ箱に捨てる。
轟「白野」
『？』
振り向くと至近距離に轟くんがいて一瞬身構える。
轟「俺、もっとお前と話したい」
『……そういえばあまり長く話したことなかったですよね』
轟「お前には俺のこと、もっと知ってほしい」
刹那、何故か私の手を握る轟くん。
……こんな情熱的に迫られてもなぁ
反応に困るというかなんというか。
しかし嫌ではない。
轟「俺の話も、聞いてほしい……」
『聞きますよ』
轟「本当か？」
『轟くんが話したいことをそのまま話してくださって大丈夫です。言葉に悩んでも大丈夫です。意味がわからなくなっても大丈夫です。
私は貴方の話をちゃんと聞くだけですから』
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冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
