□77.絶望 ページ28
緑谷.
死柄木「緑谷出久くん……？」
僕は白野さんの前に立って死柄木くんの方を向いて構える。
すると白野さんが僕の手を掴む。
『緑谷くんは……逃げてください』
緑谷「……」
『ここは私１人で……』
緑谷「でも白野さん、泣いてる」
『っ』
普段表情を出さないその顔は歪み、普段の彼女から出ているとは思えない程の涙を流している。
僕がそう言うと子供みたいに涙を堪えようとするから僕は笑みを零し、彼女の涙を指で拭う。
緑谷「僕、君のこと助けたいんだ。目を腫らした君を二度と悲しませたくないし、放っておけない」
『でも、下手したら緑谷くん……っ……』
緑谷「そもそもヒーローは仲間を残して逃げたりしないよ」
服を握りしめて嗚咽を漏らして泣く白野さんに手を伸ばそうとした瞬間だった。
死柄木「Aから離れろ」
緑谷「！！」
死柄木くんの手が僕に迫る。
僕は避けて個性を発動させる。
すると死柄木くんが触れた地面が僕目掛けて迫り、僕はそれを飛び越え、死柄木くんに迫って拳を振り降ろすと避けられ触れられそうになり、身体を反転させ彼の上を飛び越える。
後ろ蹴りをかまし、死柄木くんはその衝撃で飛ばされ瓦礫に身体をぶつける。
体勢を整えていると死柄木くんがまた触れた地面を飛ばし、僕は間一髪で避けたが肩に少し重い一撃が掠め、よろける。
緑谷「……っ」
『緑谷くん！』
緑谷「来ちゃダメだ白野さん！！」
『っ』
きっと、死柄木くんと白野さんが戦ったらまた白野さんを悲しませることになる。
僕も戦う隙がなくなり、死柄木くんに主導権を握られて利用されてしまうかもしれない。
彼女を泣かせたくない
僕は立ち上がり、個性を５０％引き出そうとすると死柄木くんがさっきいた場所にいないことに気づき周りを探すと「後ろだよ」と背後から死柄木くんの声が聞こえ、振り向くと死柄木くんが触れた地面が僕のもう目の前に迫っていた。
刹那
白野さんが僕に体当たりをして、彼女が迫り来る地面の前に立つ。
緑谷「白野さん！！！！！」
僕は彼女に手を伸ばしたが、それは虚しく、彼女の華奢な身体に地面が無慈悲に貫いた。
緑谷「あ……」
死柄木「……は？なんで、Aが……」
目の前の光景に、僕は絶望した。
鈍色に染まる街の中、彼女が赤が酷く映えていた。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
