□75.手つかずの感情 ページ26
死柄木.
自分から言ってはなんだが、自分の告白は立場的に考えてとても残酷だと思えた。
敵とヒーロー。
この立場を考えてしまえば一目瞭然。
でも、ずっと欲しかった
＿＿＿＿＿＿『＿＿くんの個性は怖くないよ』
幼いながら、ちゃんと理解していないようなお前が俺の個性を怖がらずに笑顔を向けてくれることが、
＿＿＿＿＿＿『私が一緒にいてあげる』
俺に触れたことが、唯一俺の味方でいてくれたことが、何よりも馬鹿みたいに喜んでいる自分がいた。
だから、ただ守りたかった
強くなって、白野Aの嫌いなものを全て世の中から消滅出来たらとずっと思っていた。
なのに、なんで……
死柄木「……なんで、泣いてるんだよ」
『……っ』
最初の雫が零れ落ちると、あとはとめどめなく、Aの両目から涙がはらはらと頬を伝う。
拭っても拭っても拭えきれない程の涙を流し、食いしばった歯の隙間から嗚咽が聞こえる。
『なんで……なんでそんなこと言うの……っ』
死柄木「……」
『私、弔が何を考えているのか、わかんないよ』
死柄木「……俺はずっとお前しか考えてない。この強さも、この立場も全部お前のためだ」
刹那、Aが俺の胸ぐらを掴む。
『……全部、私のためとか、言わないで……！』
死柄木「……」
『そんな立場、望んでない！私は君がみんなの敵になってほしかったわけじゃないのに！全部私のためだから突然いなくなったの？全部私のためだから街とか人とか平気で壊せたり出来るの？
そんなの……そんなの嫌だよ……っ』
とうとうAは子供みたいに泣きじゃくりながら地面に座り込んでしまった。
死柄木「何がそんなに嫌なんだよ」
『……君が大勢の人に嫌われるのが嫌だ』
よくよく考えてみたら、コイツの方が残酷だ。
手加減も容赦も皆無なくせに、コイツの優しさが俺を何度も苦しめ胸を痛くさせてくる。
手つかずにいた感情を、触れさせようとする。
死柄木「それ普通、敵に言うか？」
『言わない。でも君は特別。だって、』
Aが顔を上げる。
『��転弧��は私の大事な幼馴染だから』
……なんだ、覚えてるじゃないか
忘れた、なんて嘘じゃないか。
やはり白野Aはどうしようもなく、優しい。
今だってもう、胸が苦しくて吐き出してしまいそうだ。
俺はそれを抑えるように、Aに手を伸ばした。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
