□73.彼と彼女の関係 ページ24
緑谷.
『っ』
白野さんが力なく倒れた。
緑谷「白野さん！！」
死柄木「気絶させただけだ」
死柄木くんは白野さんを横に抱える。
緑谷「……死柄木くん」
死柄木「久しぶりだね。緑谷出久くん」
緑谷「彼女をどうするつもり？」
死柄木「連れて行くんだよ」
緑谷「何処に」
死柄木「ヴィランに」
マスク越しで死柄木くんが不敵に笑っているかのように見えた。
……白野さんがヴィランに？
緑谷「どう、して……」
死柄木「俺の手の届くところに置いておくため」
緑谷「そんなこと？本当にそんなことなの？
彼女はヒーローの卵だ！彼女は自分の正義感を無駄にするような子じゃないよ！」
死柄木「うん。だから戦わせない」
緑谷「……は、」
死柄木「俺の傍に置いておくだけ」
死柄木くんの言葉に理解出来ないでいると、突然僕の目の前に黒い渦のようなものが出現する。
その黒い渦の中からさっきのヴィランの青い炎の個性を持つ男の人とトガさんを担いだヴィランが出てきた。
黒霧「向こうで気絶している荼毘とトガヒミコを回収してきましたよ。死柄木弔、目的は達成出来ましたか？」
死柄木「……多分」
黒霧「おや、しかし貴方が横に抱えている人物は白野Aさんですよね？そして緑谷出久が抱えている子供が目的じゃなかったでしたっけ？」
死柄木「いい。これで、いい」
黒霧「まぁ貴方がそう言うなら別にいいですけど」
「とりあえず帰りましょうか」と踵を返そうとする２人に咄嗟に僕は手を伸ばす。
緑谷「死柄木くん！」
死柄木「……何？」
緑谷「彼女を連れて行かないで！そもそも、彼女が君達ヴィランに加入するなんて思えない！なんでこんなこと、」
死柄木「そんなこと、わかってるよ」
緑谷「！」
死柄木「出久くんには特別に教えてあげる」
緑谷「え？」
死柄木「俺とAは幼馴染なんだ」
緑谷「……」
死柄木「小さい頃から知っている。
コイツの性格、好きなもの、嫌いなもの、得意なことに、不得意なことまで」
頭が、真っ白になっていく。
死柄木「コイツはすぐに人気者になる。世間に知らされて、そしてコイツは不幸になる」
緑谷「それって、どういう……」
死柄木「コイツが不幸になる前に、壊れてしまう前に、
……閉じ込めておかなくちゃ」
刹那、男の子が泣き声をあげる。
そして一瞬目を離した隙に彼らはいなくなっていたのだ。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
