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何日か振りに見る紫耀くんはやっぱりどこからどう見てもかっこいい。眩しくて、キラキラしてて、サングラス姿でオフ感あるけど完璧だ。
緊張しないわけがない。
" もうすぐ着きそう " と電話が来たのも、ドキドキしっぱなし。
ドアを開けたら本物登場で、夢の世界に感じた。
事前に準備してたオムライス、形も上手くいって、デミグラスソースを温め直せば完成！紫耀くんが好きな食べ物が分からないから定番中の定番にしちゃったけど、紫耀くんすごい勢いで喜んでくれて、すごい嬉しかった。付け合わせのサラダとスープも美味しい美味しいって完食してくれておかわりまでしてくれたの。作った甲斐があったし、紫耀くんのこと少し知れた気がした。食べる時の大口は癖なのかな？箸の持ち方は綺麗だし食べ方ももちろん綺麗。そして、食べるのがめちゃくちゃ早い。
『俺の親がね、ライブ来てくれて』
「え〜！そうなんだ！」
『実家には行けてないんだけどさ、会いに来てくれたんだ』
「そっか！いいな〜そういうの素敵」
って言ったら『 " 彼女できた " って言ったらすげー喜んでくれた』って……紫耀くん、お母さんに伝えてくれたんだ……嬉しすぎるよそんなの。
『Aちゃんに会いたがってたよ』
『たぶん仲良くなれると思う』
今度改めて紹介するねって言ってくれた。メンバーにもお母さんにも、紹介してくれるっていうことが何より、紫耀くんが私を彼女として認識してくれてるんだと実感して、胸がいっぱいになる。
こんなに幸せなことってある？
食器を洗って一息ついて、2人ソファに座る。
距離はまだある。
紫耀くんが伸びをして、その瞬間、目が合って、時が止まる。
なになに？……この雰囲気……、もしかして、もしかしたりする？
心の準備はできてます。
『……なんか、遠くない？』
「……うん、そうだね」
『もっとこっち来て』
甘い声で囁く。もう違う。さっきまでの紫耀くんじゃない。
手が触れてどちらからともなく重なった唇。
ああ、溶けてしまいそう。
やっと触れた手のひらと、唇と、心と。
……ねえ、紫耀くん。ずっと触れたかった。
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年5月25日 22時
