ヒカリ証明論＊壱 (ページ41)

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＊ボロボロだ、こりゃ【あなたside&sideなし】ページ41

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捕まってから何時間が経ったんだろう……

上の方に付いている鉄格子しかないこの部屋で、私はふと思った。
壁に付けられ、両手両足には足枷と手錠。小太兄の場所を吐けだか何だか言われて、ボロボロの傷だらけになった顔や身体。

そんな姿に、思わず涙が零れた。頬を涙が伝う度に感じる、ピリリとした痛み。

「ゲホッゲホッ……」

昔から身体が弱かった私。現に今も、この環境に耐えきれなくなって、咳が止まらないし物凄く全身が思い。
終いには、吐血までする始末。目の前もかすみ始めてきた時、急に外が騒がしくなり始めた。

“ し、侵入者だ！！ ”

“ 全員戦闘態勢ィィィ！！ ”

「侵入者……か……」

恐らく、小太兄だろうな。……あぁ、また迷惑かけちゃった……

目の前の扉が開き、慌ただしく手錠やら何やらが外され、誰かに担がれた。

……出来の悪い、弱い妹で、ごめんなさい。小太兄

なんて思って、私の意識も限界が来たようで、めの前が真っ暗になった。

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第七師団が来てしばらくした時、ふとハンカチを見つめた新八が、ポロッとある言葉をこぼした。

「定春！よくやったアル！！」

「よ～し、明日の朝飯、増量な」

「ワンっ！！」

定春の嗅覚を使って、Aが居る場所を突き止められるかもしれない……

その言葉通り、阿伏兎が持っていたハンカチの匂いを嗅がせると、すぐに場所が突き止められ、万事屋の3人と桂、神威と阿伏兎が物陰から様子を伺っていた。

遅れて、真選組が隊士を引き連れやって来ると、呆れたように煙草に火をつけた土方が、目の前に聳える戦艦を見上げた。

「にしても、こんな簡単に場所が炙りだせんなら、最初からこうすりゃ良かった」

「近藤さん、うちも警察犬導入しやしょうや」

「ん～、でも、予算降りるかな」

「それより、ここからどうやって助け出しに行くんですか？」

「そんなの決まってるじゃん。正面突破だよ」

「やめてくだせェ。殺すんじゃねぇ、捕獲すんだ。バズーカ1発ぶち込んだ方が捕まえやすい」

「おい、総悟。お前、今自分で殺すんじゃねぇって言ったばっかだろ」

「全く、地球人は面倒臭いな。

阿伏兎。行こ」

「オイオイ、団長。行こって、まさか……」

阿伏兎が言い切る前に、神威は番傘を戦艦に向け、まぁかなりの弾をぶち込んだ。

「ほら、早く行かないと、みんな俺が殺しちゃうゾ？」