*義兄さん ページ40
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説明している間に、自由な団長はいつの間にかそこに座っては、大盛りのご飯を食べていた。
そして俺はと言うと、Aちゃんの兄貴に呼び出され、庭に来ていた。
「銀時が話しておった。お前のことを」
「あぁ、そう。」
「阿伏兎殿は……本気で好いておるのか、妹を……Aのことを」
「……あぁ。とってもな」
「そうか。」
「認めねぇか」
「そこまで俺も固くはない。
俺の夢は、Aが幸せになること。あいつの幸せが、俺にとっての幸せで最高のプレゼントなんだ。
あいつは、産まれた時から、辛い思いしかしてこなかった。
病弱な体故に、俺達の恩師の提案がなかったら、勉学も剣術も習うことは無かった。
Aは、必要なことは話さぬ性格だ。あいつに好きな人がいたのを知らないだろう」
「好きな人?」
「あぁ。お互い両想いだった。だが、組長襲名を否定する輩に殺された。」
「っ……」
「自分が好きになった人……たとえそれがお前だろうと、あいつはすごく迷っている。こう見えて、俺は家に帰れなくとも陰ながら見守っているから、ココ最近変わったことも薄々気付いていた。
もしも、今回の西山のように、俺が狙いでAを好きでいるなら、その想いを断ち切って欲しい。」
「……」
「あいつには、心から幸せになって欲しい。」
Aちゃんを大切に思う、兄貴の気持ちに俺は本当に好きになってもいいのかと、迷いが生まれたがハンカチを出してそれを握りしめた。
「……そんな気持ちで好きなわけないだろ。
安心しな。俺ァ心からあいつのことが好きだ。大好きで仕方がない」
「……」
兄貴は一瞬驚いたようにこっちを見るも、フッと笑った。
「それは良かった。
だが、安心するのはまだ早いぞ」
「どういうこった」
「妹を好いている輩は、俺が知る限り5人……いや、6人はいる。
せいぜい、奴らに取られないように、しっかり自分の元に引き寄せるんだな。
そう言って、俺に何かを投げつけると、先に部屋に戻った兄貴。
手にしっかりと収まった、太い棒に書かれた “ んまい棒 ” を見て、夜空を眺めた。
「6人ねェ……まだまだ、先が長そうだ」
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時