*密売人 ページ35
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「西山阿兎。大江戸銀行の支店長。」
「西山……いい噂を聞かないな」
「あぁ?」
「西山は、表では医療機関を中心に全面的協力をしているが、裏では過激攘夷志士や、武器を欲している天人らに、武器や火薬、薬を提供している密売人だ。
真選組に潜入した際、近藤達が話していたのを記憶している」
「それと今回の見合いに、なんの関係があんだ?」
「桂と聞いて、誰もが俺の名前を思うだろう。
Aに目をつけたのも、俺が攘夷志士だということを理由に、自分らが扱っているものを使ってもらいたいのが今回の狙い。」
「じゃあ、Aは」
「ただのだしに過ぎん。」
「お前が来た目的は……」
「相手次第では、俺だって見合いは認めるさ。
だが……今回は認めるわけないだろう」
相手の情報を知った俺は、呆然としていたが、ヅラの大声と、周りを囲む謎の気配で我に返った。
「A!!」
「どうした!」
「いない。
Aがいない」
「なにっ……
……おいおい、聞いてないぜ俺たちは」
「な……
敵か」
「あぁ。いつの間にか囲まれていやがった。」
Aが居なくなってるわ、敵のヤツらに囲まれてるわで、俺はヅラと背中合わせに。
「貴様ら……西山の命令か!!」
「それならなんだ」
「Aをどうするつもりだ」
「さぁな。俺たちは、あいつに頼まれたんだ。今日 5月25日に、吉原の料亭で見合いをやる。そこには、見合い相手が依頼した万事屋が必ず邪魔をしにくる。お前達は、邪魔者を排除するだけでいいってな。」
「金で動いたというのか!!」
「ああ。そりゃ、たんまりとな。」
「じゃあお兄さんよ、西山はどこにいる」
「はっ!知らねぇな。俺たちは、港にあるコンテナで取引をしたんだ。残念だったな」
「貴様……っ!!」
「ヅラ!やめろ。」
「んじゃ、無駄話はこの辺で……
まさか、指名手配がいるなんて思ってなかったんでな。報酬額を追加で頂かないとなぁ……
行け!!お前ら」
不敵に笑って言った男の合図で、一斉に襲いかかってきた奴ら。
俺とヅラも、この場をやり逃げるために戦いを優先した。
「ちっ……敵が多すぎる……」
そんなことを呟くと、急に腕を捕まれそのまま庭に出ると、ヅラが丸い爆弾を部屋に投げたと同時にそこを離れた。
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時