検索窓
今日:4 hit、昨日:78 hit、合計:50,777 hit

*べっぴんさん 【銀時side】 ページ33

.


「お待たせ、みんな。」


「完成したぞ」


しばらく経ってから、茶屋から車椅子を押して出てきた日輪と月詠が言うと、待ってましたとばかりに、駆け寄ってきた神楽と晴太。


「ほら、Aちゃん出ておいで」


日輪に呼ばれて、茶屋から出てきたのは、めっきりと見違えた姿をしたAだった。


「うわぁ……

姉ちゃん、すっげぇ綺麗だよ」


「うんうん、ごっさ綺麗アル!!モデルさんみたいネ!!」


「そ、そう、かな……」


「んもう、ほら、銀さんも何か言っておやりよ」


なかなか言わない俺に、急かすように催促され恥ずかしいのか顔を染める彼女に


「ま、まぁ、綺麗に化けたもんだ」


なんて言うと、顔を上げてはち切れんばかりの笑顔で


「ありがとう、銀時!」


って。
なんだか俺が照れくさくなって、誤魔化すように頭をガシガシかいた。


「良かったねぇ、Aちゃん。」


「でも、やりすぎたかもしれんな。」


「どういう意味?月詠姉」


「お見合いを断りに行くのに、こんな姿を見せたら、上手くいかぬと思うんだが」


「……確かに」


「って、わっちも言ったんだが……」


「逆に美人すぎて、男の方から諦めるわよ、きっと。」


「なんか可哀想に思えてきた……」


日輪の言い分に、見合い相手に同情し始めたAは、かかっていた時計を見るなり驚いた顔で、俺の裾を引っ張った。


「銀時、そろそろ行かないと……」


「もう時間か」


「うん。少し距離あるし、この着物動きにくいから、早めに動きたい」


「……動くなよ」


「え?!……って、うわっ!ちょ、ちょ……ぎ、銀時っ……」


Aの姿を見ると、そう言って彼女を抱き上げると、所謂お姫様抱っこにした。


「ちょっ……お、下ろして!銀時!!」


「だあーっ!!暴れんな!着物が崩れっだろ」


「銀時。お主も大胆な事をするな」


「なんか銀ちゃんキモいアル。顔がデレデレしてるヨ」


「っるせぇな……

時間もねぇし、俺たちはこれで行くぞ」


「えっ?!ぎ、銀時?」


「捕まってろよ」


何が何だか分かってないって顔して、言われた通り俺の首に捕まったA。

それを見計らって茶屋を出ると、見合い会場まで走った。

……なぜ走ったか?




本当は歩いても間に合ってたんだが、照れてるのか、嬉しそうに緩ませた顔をしているAに、俺がどうにかなっちまいそうだったからに決まってんだろ。

*初めまして→←*幸せ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
19人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 阿伏兎 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。