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音羽くんの配慮を無駄にしたくなくて、お弁当を食べ進めていけば、今度は彼から私のことを聞いてきた。
「駒場さんは？」
『うちは、2人ともいるけど、居ないかな』
「居ない？どういうことだよ」
『あんまり、仲が良くなくて。まぁ、すれ違い？小学校までは良かったんだけど、中学に入学してからだんだんと』
マカロニサラダを食べながら、ぼんやりと呟けば何を思ったのかご飯の上に、音羽くんが卵焼きを置いてくれる。
『どうしたの』
「…作るの失敗したから、やるよ」
『はぁ？なにそれ……失敗したもの、乗せないでよ』
若干焦げ付いているそれは、さっきの唐揚げのお返しか、私が悲しんでると思っての慰めか……まぁ、後半はないかな。
『これ、音羽くんが作ったの？』
「…一応」
『へぇ……形は歪だし、ちょっと焦げてるけど…でも美味しそう』
「一言余計だろ」
『いただきまーす……』
ほんと、音羽くんって突っ込むのが上手いなぁ……なんて。
卵焼きを一口で食べれば、途端に広がるのはお世辞抜きの、塩辛いそれで思わずお茶に手を伸ばした。
「だから言っただろ、失敗したって」
『本当のことだったんだ……え、塩と砂糖間違えた？』
「分量間違えた」
『分量？！……もしかして、音羽くんって料理苦手？』
「苦手じゃない。あまりやらないだけ」
『それを苦手って言うのかもしれない』
「なんだよ、さっきから」
『今度教えてあげよっか』
「あぁ………は？」
『ほら、一人暮らしだと自分でご飯作らなきゃだと思うし…何か一つでも作れた方が、この先良くない？』
そんな提案をすれば凄く驚いたみたいで、トマトを掴み損ねていた。
「本気で、言ってる？」
『う、うん。あっ、何なら、毎日お弁当作ってきてあげよっか。
たまに、食堂でご飯食べたり購買でパン買ったり……』
「い、いや、ちょっと待て。話勝手に進めんな」
『えぇ、なんで？』
「俺は、一言も承諾してない。
それに、たまたま席が隣になって、係が一緒になっただけで、俺のスペースに勝手に入ってこられると、さすがに困る。」
『あっ……ごめん…』
「そもそも、俺と駒場さんは友達なんかじゃない。
お前と話してるだけで、周りからどれだけ白い目で見られてるか、知らないだろ。」
私の方を向かないで、ただ言葉だけを並べる音羽くんは、そのままお弁当箱を抱えて屋上から出て行った。
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マナ - 作品を参考してよろしいですか？ (2022年1月24日 18時) (
レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - 駒ノ音〜Another〜作って下さりありがとうございますっ…ずっと2人の出会いが気になっていたので嬉しいです！更新楽しみにしてます՞⸝⸝ > ̫ < ⸝⸝՞ (2021年10月4日 19時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年10月4日 17時
