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『いやぁ……音羽くん、ほんっとありがとね。私、自分でもよく分かってるほどの、機械音痴でさ……どうなるかと思った』
先生が指定した課題を、2時間目の時間を全て使って完成させ、提出した後の画面が映し出されたまま、駒場さんが疲れきったように、机に顎を乗せた。
「でも、ある程度は出来てたしそこまで音痴では無いと思う」
『えぇ、そうかな……』
「だって、まだ終わっていない人だっているし。」
後ろの席だからはっきり分かる。苦しそうな顔して、表に打ち込んでいる何人かを見れば、駒場さんはほんとだ、って小さく呟いた。
『…いや、でもさ、早くできたのも音羽くんが教えてくれたからだよ。
私一人だったら、みんなと同じだったもん』
「そんな事…」
『ありがとね、音羽くん』
そう言って、優しく笑いかけてくれた駒場さんに、俺の胸がまた高鳴った。
早く終わらないかなー、ってランダムに数字を表に入れ始めた彼女を眺めながら、それにしても…って。
何でも出来そうな感じするのに、機械音痴だとは思わなかった。
表を作り上げていた最中、うんうん言いながら、ああでもないこうでもないって。
俺の視線に気付いた駒場さんが、潔く諦めた顔をして手招きした時、これからこの授業は彼女の分もやるのか、そんな事を思った。
「パソコン、苦手？」
『得意じゃない』
「それを苦手って言うんだよ」
『……だって、難しいんだもん。スマホでいいじゃん』
「はいはい」
『ねえ、音羽くんって普段からパソコン触ってるの？』
「…いや、そんな事ない」
『じゃあなんで？』
なんで、って……そんな、純粋な目で見られても、返答に困る。
何となく文字とか、画面見てればわかる事だと思うんだけど。
「…いや、なんでって言われても……」
『私も、音羽くんみたいにパソコン使えるようになるかな？』
「……うん、なんか子供みたいなこと言ってるけど、大丈夫？」
『えっ！酷い！そんな、子供じみたこと言ってないよ』
いや言ってるよ。
……なんて言えないから、笑って誤魔化せば、ムカつくって顔で俺を睨んでくる。
『いいもん、そうしたら、私、音羽くんがそう思えないくらい、パソコン上手に使ってみせる』
「あー……」
そういう所なんだけどな……彼女にとっては、無意識かもしれないけど、負けず嫌い(らしい)態度に、長い道のりになるな、って思った。
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マナ - 作品を参考してよろしいですか？ (2022年1月24日 18時) (
レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - 駒ノ音〜Another〜作って下さりありがとうございますっ…ずっと2人の出会いが気になっていたので嬉しいです！更新楽しみにしてます՞⸝⸝ > ̫ < ⸝⸝՞ (2021年10月4日 19時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年10月4日 17時
