東海くんとカラフルなお話。（仮）2【東海オンエア】 (ページ17)

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◆ 君が僕の心に魔法をかけた【SHIBAYU】ページ17

し｢あー！！！もうわかんねぇ！！｣

｢あとちょっとだよ！頑張って！！｣

し｢あー！もうなんで俺だけこんな勉強しなきゃなんないの？｣

高校３年生の夏休みを迎えた俺は、夏休みなんて嘘のように勉強に追われる日々を送っていた。

クラスメイト達は、ほとんどが推薦だとかほかの入試で大学や専門学校進学を決めるみたいで、俺はかなり焦っていた。

｢ゆうくん！あとちょっとしたらおやつ食べよ？｣

し｢もー、Aはなんでそんなに集中して出来るわけ？｣

｢んー、だって、ゆうくんと同じ大学行きたいもん｣

学校があるあいだは、夜遅くまで学校に残っていたけど、夏休みが始まってからはどちらかの家で勉強をするようになった。

今日は彼女であるAの家。
何度来ても女の子らしくて可愛い部屋。

｢私だけ合格しちゃうよ？｣

し｢それは困る｣

｢じゃあ、ゆうくんも頑張って！｣

し｢はいはーい｣

でもやっぱり集中出来ない。
今度は目の前に座るAが気になって集中出来ない。

し｢Aもそんなこと思ってたんだね｣

｢ん？なんのこと？｣

し｢俺と同じ大学行きたいって言ったやん｣

｢当たり前じゃんー、ゆうくんいなかったらもっと適当に勉強してたと思うよ？｣

｢全然ダメダメだね｣って笑うAにかなり心が軽くなる。

俺だって、Aがいなかったら、大学進学すらしてなかったかもしれない。

あえて口にはしてなかったけど、同じ気持ちで勉強してたことが嬉しくて、Aとならもうちょっと頑張れるかなとか思う俺はかなり単純な気がする。

し｢はぁー！！結構やったっしょ？｣

｢もう外暗くなっちゃってる！｣

し｢頑張ったから、ご褒美かな？｣

｢ご褒美？｣

し｢ご褒美のチュー｣

机越しに座る彼女の方に、身を乗り出す。
ちょっと照れてる彼女は、キョロキョロと視線を泳がせた後、チュッと短いキスをしてくれる。

し｢やったね｣

2人を阻む机が邪魔で、彼女の真隣に座ると、｢こっち向いて｣ってAを呼ぶ。

し｢今度は俺から｣

さっきより長いキス。
誰も見てないから何回もできるよ。

｢ちょっとゆうくん！！｣

し｢ん？｣

｢...ドキドキした｣

し｢もう1回する？｣

｢べっ、勉強するよ！！｣

し｢えー｣

まあいいか、またちょっと勉強したらご褒美もらおっと。

君が僕の心に魔法をかけた。

絶対ふたりで大学合格して、これからもずっと一緒にいよう。