◆ 君が僕の心に魔法をかけた 【TETSUYA】 ページ16
て｢よっしゃー次の店行くぞー！｣
｢てつやくんめっちゃ酔ってる｣
て｢ん？酔ってないー酔ってないー！｣
いつもの女の子達との飲み会で、今日もいつものように次の店に向かう。
チャラチャラしたこの集団が俺の居場所で、今日も適当に気があった女の子を次の店でGETして適当に抜け出そうとか思ってる。
2軒目についた時、俺は一際目立つ女の子を見つけた。
それはいつもみたいな、この子だー！！！という発見ではなく、周りから完全に浮いた雰囲気を放つ女の子だった。
て｢一緒に飲も｣
｢え？｣
て｢あんま飲んでないでしょ？｣
持ってきたかるーいカクテルを差し出すと、彼女は恐る恐る俺からグラスを受け取る。
彼女の名前はAちゃんというらしい。
今日は友達に誘われてきたのに、ドタキャンされたとかなんとか。
｢なんかすっごいところに来ちゃったなあ｣
て｢こういうとこ自体もなれてないんだ｣
｢そうそう、私彼氏とか作るつもりないしね｣
て｢なのにここに来たん？｣
｢呑むのは大好きだからね｣
そう言うと、軽々グラスを空っぽにして｢うまい！｣って笑う。
あー、俺そういうの燃えちゃうんだよね。
俺のこと全く興味が無いだろうAちゃんを落とすゲーム、始めちゃうよ？
て｢じゃあ、俺狙ってもいい？｣
｢えっ？てつやくん面白いこと言うね｣
て｢俺本気だよ？｣
｢無理やって、私男で失敗してるからもう選ぼうとか思わないし｣
て｢じゃあ勝手に狙う｣
｢ふふっ...｣
ちらっと俺をみたAちゃんの目は、確かに笑ってた。
君が放つ独特な雰囲気に、俺はすっかり飲み込まれた。
勝手な一目惚れで、俺の片思いが始まる音がした。
もう1回君に恋を楽しんでもらうように。
そして俺がもう1回誰か1人を大切にできるように。
この夜から一緒に世界を変えようよ。
俺が、君を絶対救いあげるから、ついてきてよ。
て｢じゃあとりあえず、俺ん家くる？｣
｢なにそれ、警戒されて落とせないよ？｣
て｢なんでアドバイスしてくれるの笑｣
君が僕の適当な心に魔法をかけた。
明日からは、君を落とすために生きてみるのもいいかもしれないね。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年7月5日 21時
