＃35 俺の分。 ページ35
｢よっ！｣
何故かサングラスをかけてるてつやが小さく手を挙げて、しばゆーが｢ここここ！｣って椅子をばしばしたたいてる。
｢遅かったね？｣
｢りょうくんたちが早かったんだよ？｣
｢俺たち1時間くらいここに居るからね？｣
りょうがしっかりAちゃんの隣なのがちょっと嫌だったけど、しばゆーに誘導された場所にふたりで座った。
っていうか、なんでこいつら普通にAちゃんと馴染んでんの？
｢なんでそんな早くからいんの？｣
｢だって男5人で水族館とか笑っちゃうくらい普通すぎて笑｣
隣の虫さんがスマホの画面を見て笑ってるから、覗いてみるとてつやがナマコを触ってめちゃくちゃ苦い顔をしてる写真。
｢全然楽しん出るように見えるけど？｣
｢そっちも？｣
りょうと楽しそうに話してるAちゃんをちらっと見て、虫さんがニヤニヤする。
｢りょうに取られてるね｣
｢別にいいけど、俺のだしぃ？｣
｢としみつ強くなったね｣
虫さんに太ももをバシッと叩かれて、ちょっと痛くてそこをさすってるとゆめまるが両手にいろんなものが乗ったトレイをもって帰ってきた。
｢あ、としみつきたの？としみつの分ないよ？｣
｢はっ？｣
片方のトレイにはコップが6つ。
なーんだ、あるじゃん。俺の分。
｢はい！Aちゃんどーぞ、オレンジジュースでいい？？｣
｢あっ！ゆめくんだ！！｣
｢久しぶりだねぇ｣
｢私の分まで買ってきてくれたの？｣
ゆめまるが1番にコップを渡したのは俺の隣に座ってる彼女で、すんなり受けとって｢ゆめくん｣と呼ばれた彼は普通に反応してる。
｢えっ？！で、あとお前らのってこと？｣
｢当たり前やん！！｣
トレイに最後に残ったビールをてつやがひょいっと取って、俺以外のメンバーは頷いてる。
なんだこいつら。
俺にじみーな嫌がらせまで加えてくる。
｢あはは！としくんのないの？！｣
俺の天使はさすがに心配してくれると思ったら、お腹をかかえて笑ってて楽しそう。
誰だ！こんなに素直なAちゃんを悪魔に引きずり込んだのは！！
｢ちょっと！Aちゃんまでっ..！｣
｢としみつかわいそ｣
全然可哀想だと思ってない声でドSりょうが笑ってて、もうしゃーねーなって諦めた。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年9月12日 12時
