#29 悪魔たちと。 ページ29
特に何をすることもなく、ただ沖縄にいることを報告して、何してたかとかを酒を飲みながらダラダラと話す。
「じゃあ明日も早いからね、そろそろ終わろうか」
っていう虫さんの声が神のお告げのように聞こえたのは、まだ1時間もやってないのにAちゃんのところに帰れるってことを意味していたから。
でもここで、「そうだね!」とか便乗したこと言うとまたみんなにいじられそうだから、黙っておく。
「じゃあとしみつ最後にもっかい手振って」
「なんでっ?!」
そんなに俺が手振ったの面白かった?
まあそんなことで終われるなら、振っとくか。
Aちゃんに今から帰るよって意味も込めて、「おまえら早く寝ろよ」ってさっきより大きく手を振ると「やってくれるんだ」って虫さんが突っ込む。
「としみつ、ご機嫌すぎ!!」
カメラが止まった瞬間、そういったのは生放送中ほとんど喋らなかったゆめまるだった。
「むしろ不機嫌だわ!彼女との時間を取られたんだからな!!」
「そうじゃん、Aちゃん何しとんの?」
てつやがスマホを台から下ろすと、充電器に繋げる。
「上の階でこれ見とるって言ってたわ!」
「可哀想にA置いてかれて」
りょうが冷たくそう言い放つと、虫さんが「全くだ」って頷く。
いやいや、スタ連してきたの虫さんやん!!
「ってことで俺帰るからね?」
ベットから立ち上がってドアの方を向いた俺の手は何者かの手に掴まれて前に進めない。
「ちょっと待て」
「んだよ、Aちゃんが待ってんの」
手を掴んでいたのはてつやで、離してもらおうとブラブラ揺さぶってみても離れようとしない。
「で?どこまでやったの?」
「はぁっ?!」
「あ!その話しよー!!」
もう帰るって言ってんだろ!!っていう心の声はこいつらに届くわけがなく、またベットに座らされた俺は悪魔達に囲まれた。
そのニヤニヤした顔といいなんといい、あっちのことしか考えてない顔。
「いっ...言うわけないだろっ?!」
「俺たちの仲じゃん!!」
「っていうか僕達がくっつけたしね?」
こういうときのてつや虫さんの団結力はなんなの?
ほんと怖いわ。
ゆめまるとしばゆーは酒飲んで潰れちゃってるし。
「ま、としみつが言いたくないって言ってるんだか らやめたら?」
「もー!りょうくん!夜なんだからこういう話しようよ!!」
「としみつ早く帰ってあげなよ」ってヒーローみたいなりょうに救われて、なんとか部屋を出た。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時