＃25 運命的な。 ページ25
｢とっ、としくん！！何してるの？！｣
｢ん？お姫様抱っこだろ？｣
｢そんな目立つことしちゃだめだよ！！｣
｢なーんで？｣
｢もう...としくんはずるいなぁ｣ってさっき撮ってもらった画像を見ながら、ニヤニヤしてんのか苦笑いしてんのか複雑な表情で言う。
｢結構いい感じに撮れてんね｣
｢としくん最初水族館でさ、すっごい下手くそに笑ってたもんね？｣
｢あれは笑ってなかったの！！｣
あの写真付き合う前はよく見てたけど、付き合ってからはほかの写真が沢山増えて見てないな。
久々に見たくなった。
さっき初めてに等しいカップルっぽいことを人前でしてみて、俺らちゃんと付き合ってるんだなあって感じた。
｢さぁて、夕飯でも食べながらちょっと遠いからホテル向かうか？｣
｢お土産も探さないとね！｣
そういえば俺はお土産買うの家族しかいなくね？
あいつらは一緒についてきてるわけだし。
Aちゃんは隣に居るし。
・
・
｢あ｣
｢あ｣
｢なにこの運命的な出会い。笑うんだけど｣
｢いやお前笑ってないやん｣
Aちゃんが少しだけお土産を買って、水族館近くのホテルに到着。
｢としくんはりょうくんたちに買わないの？｣って首をかしげたAちゃんが優しくて可愛くて買っちゃいそうになったけど、｢明日考えるわー｣って買わなかった。
早く風呂入りたいなぁ、なんて考えながらチェックインのカウンターに向かっていた時だ。
｢笑ってるじゃん、この目を見て？｣
｢てつや、お前１回殴らせろ｣
前でチェックインしてる人、なんか見た事ある後ろ姿だなって100%答えがわかりきってることを考えていたら案の定。
分かっていたはずなのに、てつやが振り返ってこちらを見た時運命的な出会いみたいな反応をしてしまったって訳。
｢なんでよー、やっと読みが当たったんだぜ？｣
｢なんでここがわかった？｣
｢だってとしみつあの沖縄の本置きっぱなしにして撮影とか行くんだもん、付箋ついてるところ見るでしょ？｣
｢....もう何も言えん｣
そういうことね。
だから3日目に水族館と読んだお前らはここに来たわけね。
はいはい、賢いですね。
｢じゃ、生放送するから来いよ？｣
｢絶対、絶対、ぜーったい行きません｣
｢どうするん？としみつだけいないとかみんな意味深なこと言ってくるよ？｣
神様、俺は今いじめにあっています。
どうにかして助けてください。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年9月12日 12時
