#6 ページ8
｢グルッペンから聞いてん。双子狩りのやつ｣
時刻は少し経ち、ほとんど夕方と言っても過言ではないお昼過ぎ。カフェのテラスで俺とシャオロンは少し遅い昼食をとっていた。
もちろんこの場に来る前にグルッペンに連絡し、奴らの回収を頼んだ。本当は回収が来るまで見張っていた方が良いのだが、路地裏にちょうど良く転がっていたロープで縛って逃げられないようにしてきた。
あとメモ帳に一言添えて置いてきたので大丈夫だろう。
シャオロンと2人で飯を食うのも久しぶりだ。
……双子狩りが蔓延る都市で双子が堂々とテラスで飯を食う、というのは中々に勇気のいることなので(あと今日オフの奴らに遭遇しても面倒)俺は変装をしているが。
｢んで、Aがその調査に駆り出されとるって聞いたから手伝おう思って探しに来てん。あと暇やったし！｣
｢さっすがシャオロン！俺が変装用のカツラ持ってきてなかったのも見越して持って来てくれるとはな！｣
｢ふーん！誰や思ってんねん、俺らは一心同体やろ？Aのことならなんでもわかるわ｣
サンドウィッチを片手にウインクをするシャオロンに笑って、俺も自身の前に並べられたココアのストローを加える。
喫茶店のアイスココアって氷のせいで薄くなるけれど、ここの店は初めから濃いめに作っていて後からいい感じに薄まるから好きだ。
それはシャオロンも同じらしく……なんなら俺ら2人の目の前には全く同じ品が並んでいる。
｢んで、一応グルッペンから諸々の事情聞いてんけど双子狩りって……なんやろな｣
｢双子って、大昔から神聖化されとったからなぁ。双子の逸話とか、神話とか。アポロンとアルテミスとか、フレイとフレイヤみたいな双子の神様かって沢山おる。ソイツらがどんな宗教なんかは知らんけど、『双子の命を貰い、神に授け、我らに幸福を！』みたいなやつちゃう？｣
まあ、全て俺の憶測に過ぎないけれど。
｢はえー、さすがAやな。俺はその辺詳しないから尊敬するわ｣
｢んふふ、まあその分俺はシャオロンより前に出るのは無理やけどな。ひとり、ふたりならさっきみたいに相手に出来るけど戦場はまじで無理｣
双子だけど、100%一緒な訳でなくシャオロンは武闘派、俺は(どちらかと言うと)頭脳派で成り立っている。だからこそバランスが良いのだ。
｢しっかし双子は神の子、なんてアホらしいな｣
｢アホらしいよな｣
ココアのストローを指で弄びながら俺とシャオロンはつぶやく。
｢｢愚かやわ｣｣
愚かなのだ。
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オムレツ(プロフ) - らっぴょこさん» コメントありがとうございますー！双子は良いですぞ… (2021年10月17日 21時) (
レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！好きです！！双子設定好き過ぎる…！！ (2021年10月16日 22時) (レス) id: d6878be433 (このIDを非表示/違反報告)
オムレツ(プロフ) - salaさん» コメントありがとうございます！ゆっくりになると思いますが気長にお待ちいただけると幸いです！ (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - 続きとっても楽しみです！更新待ってます！ (2021年8月26日 22時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オムレツ | 作成日時：2021年8月24日 17時
