#3 ページ5
｢シャオちゃん？｣
中庭の大きな木の近くにあるベンチにて、俺は地図を広げていた。
もちろん地図を見るのが趣味だとかそんなものじゃなく、グルッペンに言われた任務の為に土地を確認していたのだ。そんな最中、ふと声が掛けられた。
ゆっくり顔を上げるとそこに立っていたのは大先生こと鬱で、彼は驚いたような、疑問を持っているような表情で俺を見ていた。
｢なんや大先生、どないしたん？｣
｢さっき総統室近くの廊下で見かけたからビックリしたんよ。いつの間にここまで出てきたん？｣
あぁ、と納得する。
恐らくシャオロンが呼び出されたのだろう。
｢グルッペンと軽く話して割とすぐに出てきたからなぁ。……なぁ、大先生知っとる？｣
それらしい返事を返し、彼が納得する前に話題を変える。
これは俺とシャオロンがよくやる誤魔化す方法だ。
｢いま、『双子狩り』とか言うのが
｢双子狩り？｣
｢ま、その名の通り双子ばっか狙われる怪事件やねんけど。｣
オウム返しで俺の言葉をなぞる大先生に俺は地図を見せる。
｢フェルリン、ハンブルネ、ミュンヒン。この印付いとる三大都市を中心に結構広がっとるらしいんよ。｣
地図の赤印を付けた場所を順々に指で叩く。
フェルリン。我が国といえば、真っ先に挙げられる大都市であり、観光名所や様々な建物がある場所だ。
……恐らく、ここは1番怪しい。
人が多く、動きにくいかと思われるが、案外観光都市なんて夜になれば人は減ってゆく。 何故ならば皆郊外に家を買ったり、郊外のホテルを取るから。
……そう言えばグルッペンがドーナツ化現象(都市部の人口が減り、郊外の人口が増えること)で悩んでいたような気もするが、今は知らない。
｢へぇー、それをシャオちゃんが？そう言う情報系とかならロボロ、隠密作戦ならゾムとかでもええんちゃうん？｣
｢うーんとな、大先生忘れとるかもしれへんけど俺も情報系には……まぁロボロとかには劣るけど、それなりに強いし、今そのロボロは別の案件、ゾムは任務中、第一情報系のリーダーである大先生……｣
そこまで言うと俺は地図を畳み、大先生へと向き直る。
｢書類出したん？｣
にっこり。
そう効果音がつくほどの笑顔で大先生を見やると、彼は一気に青ざめ汗を流す。
あー、その反応は。
｢まっさか大先生がやってへんわけないよなぁ？あ、そう言えばトントン、今日徹夜明けやっけー？なんて言うかなぁ｣
｢や、あの、ｼｬｵﾁｬﾝ……！｣
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オムレツ(プロフ) - らっぴょこさん» コメントありがとうございますー！双子は良いですぞ… (2021年10月17日 21時) (
レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！好きです！！双子設定好き過ぎる…！！ (2021年10月16日 22時) (レス) id: d6878be433 (このIDを非表示/違反報告)
オムレツ(プロフ) - salaさん» コメントありがとうございます！ゆっくりになると思いますが気長にお待ちいただけると幸いです！ (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - 続きとっても楽しみです！更新待ってます！ (2021年8月26日 22時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オムレツ | 作成日時：2021年8月24日 17時
