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双子というものは、昔から何かしら言い伝えというものがある。
例えば双子の男女ならば前世の恋人同士が心中し、その生まれ変わりだとか。
有名な双子の伝説ならばロームルスとレムスのような英雄だとか。
……今回の「双子狩り」を行っているのは宗教関係の団体らしい。
とある国では双子は不吉だと言われたりもしている。(と、言っても大昔のことだが)
その関係かと考えたが、どうやら寧ろその逆で「双子狩り」の主犯は双子を神聖化しているらしく、連れ去っては神の子として称え、そして神の元へ還すと殺害を繰り返している。
……と、まぁ、資料に載っていたのはこの通りで。
「これは双子セットで連れ去られるん?」
「あぁ。」
「……俺の存在は表立ってるわけじゃないし、そもそもこの軍の幹部ですら知ってるのなんてグルッペンくらいなんやで。……そんな俺とシャオロンにも危険が?」
「ない、とは100%言いきれないだろう?警戒するに越したことはない。……まぁ、万が一があれば我々は全力で対応するがな」
グルッペンの言葉に俺は頷き、資料を机に返す。
「シャオロンにその話は?」
「Aの後に呼び出して話す。」
「ほーん、ならええわ。」
頷く俺にグルッペンは「それで、だ」と言葉を続ける。
「ここからが本題だ。」
双子狩りを行っている宗教団体の特定、かつ情報収集。もちろん単独行動で。
そして双子ということはこの件が解決するまで公にするなと。
それが俺に課せられた任務だった。
「そもそも公にするもなにもアイツらが気付いてへんだけやねんけど」
脳裏に過ぎるのは何度も入れ替わって遊んだ記憶。そして同時刻に別々の場所でウロウロしていた事実。
だが幹部は皆、案外適当なのか、それとも仲間を信頼しきっているのかは分からないが「気のせい」で済ましていた。
……もちろん俺らも問われれば「気のせい」だと返したが。
「あぁ、お前たちは『聞かれてないから言っていない』スタンスだったな。」
「おん」
まぁ、お前たちなら大丈夫だろう。頼んだゾ。
そう薄く笑うグルッペンに俺は御意の意味を込め、背を向け、手を振り部屋を出る。
誰もいない廊下はやけに静けさが目立つ。
「……さぁーーて」
大きく背伸びをし、息を吐き出すと俺は任務に取り掛かることにした。
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オムレツ(プロフ) - らっぴょこさん» コメントありがとうございますー!双子は良いですぞ… (2021年10月17日 21時) (レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!好きです!!双子設定好き過ぎる…!! (2021年10月16日 22時) (レス) id: d6878be433 (このIDを非表示/違反報告)
オムレツ(プロフ) - salaさん» コメントありがとうございます!ゆっくりになると思いますが気長にお待ちいただけると幸いです! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9504c1c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - 続きとっても楽しみです!更新待ってます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オムレツ | 作成日時:2021年8月24日 17時