【テニスの王子様】幼なじみの壁越えました【幸村精市】 (ページ13)

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～とばーしまーす〜
幸村side

シウの口から言葉が出る度に不安と怒りが募る

今Aはどうしているのか。

そのキースという男に何もされてないだろうか。

俺が行かないと。

俺が助けないといけないんだ

目の前にラケットバックを持った手塚が通りかかる

幸「どこへ行く気だい」

手「うちのお節介が動くようでな。部長として行かなくてはいけないだろう」

幸「俺も…！」

真「よせ。幸村、俺が行く」

幸「どうして！Aが辛い思いをしているのに何も出来ないなんておかしいじゃないか！

俺はAを助けたい。なのになぜそれをさせてくれないんだい？

Aは俺の幼なじみだし、今は同じ志をもつ仲間なんだ」

真「だったら尚更だろう。幸村。昔からのよしみで言おう。Aはそんなやわではないこと、お前が一番わかっているだろう。

奴らに屈するほどあいつは弱くない。きっと今頃説教をくらわせているところだ。

そして共に励んできた仲間として言おう。部長だからこそ。部長であるお前がこの非常事態でみなを導くんだ。

手塚のように跡部や白石も動きを見せていたからな。

部のトップがいなくなっては元も子もないだろう。だから幸村、お前はここに残ってくはくれないか」

そうか…

俺は焦りすぎていたんだな

Aはきっと大丈夫。彼女なりに最善策を見つけているはずだ

それを一番わかっていたはずなんだけど、こんなに我を失ってしまうほどAの存在は俺の中で大きくなっていたんだ

俺もまだまだだなぁ

幸「すまない。取り乱したよ。

真田、部長として言うよ。うちの仲間を傷つけたやつらに俺たちのテニスを見せてくれ。

もうそんなテニスはさせないってね

そして一人の幼なじみとして…

Aを頼んだ」

真「うむ、わかった」

真田の返事は二言だった
彼は人一倍仲間思いだから、今回の件は見逃せないのだろう

俺も許せない

直接、助けたい。俺がこの手で。
だけどその願望はこの状況の中ではちょっとしたわがままになってしまっているんだな

一番怖くて、焦っているのはAの方だ

それを忘れちゃいけない

Aを一番最短で助けることができるのはこの方法しかないと思った。

幸「A、待ってて。すぐ、助かるから。もう少しの辛抱だよ」