溺れて染まる短編集【WT】 (ページ2)

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◎小悪魔系彼女_br ページ2

(小悪魔シリーズ)

ある日、人に言われて気付いた。もしかして、いや、もしかしなくても僕の彼女モテてない？？？？

元々、男子から人気のある子だったのは知っていた。けど、付き合ってからもそのモテ具合は止まらないらしく。いやまぁ、彼女自身の性格とかが絡んでいるんだろうけど。

僕の彼女はハッキリ言って、「小悪魔女子」だ。思わせぶりなことはすぐするし、男心を分かってる。わざとやってる部分もあるんだろうけど、僕の彼女は天然も混じってるから尚怖い。

それを酷く感じたのは、彼女の職場まで迎えに行った時だった。下で待ってて、と連絡が来て大人しく待っていた。約束の時間より遅いなぁ、なんて呑気に考えていたらエレベーターの前で男の人と話しているAが居た。近付こうとすると話している内容が聞こえて。

［Aさん！今日くらい良いじゃないですか！］

『うーん、お誘いは嬉しいんだけど今日はちょっと先約があってね。』

［いつならいいんですか〜？］

『ふは、そんなあからさまに落ち込まないでよ。近々私から誘うから。』

［ほんとですか！約束ですよ？］

『はいはい。それじゃまたね。』

彼女はそう言ってその職員の人とわかれた。会話の内容といい、彼女の断り方と言い、男の方のあからさまな好意に居てもたってもいられなかった。

「A！」

『あわ、ぶるーく。迎えありがとう。』

「どういたしまして…じゃなくて！」

『え？』

まるでなんの事か分からない、とでも言いたげな表情で彼女は僕の顔を見た。いやいや、嘘でしょ？自覚ないの？…まぁ天然入ってるから仕方ないのかな、なんて思う。

「あのねぇ、あの人絶対Aに気あるよ！！」

『んぇえ…？そんな事ないよ。ただの同僚。』

「嘘つけ〜！！あんなに近付かれてさぁ、もうちょっと危機感持って？」

そう僕が伝えると、ちょっと僕の服の袖を引いて目線が下から合う。つまるところ、上目遣い。思わず固まると、彼女はにいっと笑ってから口を開いた。

『ぶるーくだけしか見てないよ。』

この言葉に顔を赤くしてしまう僕は、余程彼女に溺れているらしい。

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早速1話目ですがちょっと小悪魔感薄めでしたね、反省…。小悪魔系彼女シリーズが終了したので次のシリーズ開始します。

良ければ1番右のお星様を押して頂けると幸いです。