想って染まる短編集【WT】 (ページ47)

今日:21 hit、昨日:45 hit、合計:206,549 hit

◎衣装_br ページ47

(リクエスト!!)

最近になって友達に勧められた趣味。それは______

『流石にこのスカート丈は如何なものか…。』

鏡に映る私はいつもと一味、いや二味ほど違う。ツヤツヤの髪の毛。短いスカート。色が明るい瞳。そう、私が始めた趣味はコスプレなのだ。裁縫も好きだし、趣味があることに越したことはない。が、何が問題かといえばたった一つ。

(ぶるーくに見られたらなんて言われるかな。)

恋人に言っていないこと。コスプレイベントには稀に行くくらいでそんなに頻繁ではないものの、やっぱり彼に隠し事をしているのが辛くて。でもコスプレしてるの、という勇気も出ない。だって言ったら絶対に「着て見せて！」って言われるのが目に見えているから。

鏡の前でくるりと回ってスカート丈を調節した。その時だった。

「A〜？明日のデートどうす、る、」
『っぇ、ぶるーく!!?』

鏡に反射して映ったのはスマホを見ながら部屋に入ってきたぶるーくだった。いや、いやいやいや、めっちゃコスプレしてますけど!?

『あ…と、その、これは、』
「なにそれ________

めっちゃ可愛いんですけど！！？！？？」
『へっ、』

私がなんて返事しようか頭を全力で働かせていると彼が叫んだ。予想の斜め上すぎる言葉に私はついにカチンと固まった。ほ、褒められてる…？

「なにこれ〜！え、なんで言ってくれなかったの!? めっちゃ可愛いじゃん…いやもう好きじゃん。」

彼はニコニコしながら私の手をぶんぶんと振り回したかと思えば、急に真顔になって褒めだした。情緒がジェットコースター過ぎてついていけない。

『あ、あの、恥ずかしいからそんなジロジロ見ないで欲しい…な？』
「…うん、その上目遣い可愛いね。いいよ。」
『ねー、違う！そうじゃない!!』

今日のぶるーくはちょっと可笑しい。だって私が何を言っても跳ね返してくるんだもん。これだから言いたくなかったのにな…なんて。
______________________

今回は鬼○の刃に出てくる栗花落カナヲちゃんをイメージしました。なんとなくですが。