◎愛配布_br ページ15
(リクエスト!!)
ぶるーくからのお強請り。彼からのお強請りは可愛いものもあれば中々に鬼畜なのもある。ただ、今回のやつはその中でもダントツで私にとって難易度の高いものだった。
『…萌え萌えきゅん、とは。』
スマホを眺めながら項垂れる。彼がどうしても "萌え萌えきゅん" (？)をして欲しいらしいのだが、イマイチよく分からないままなのだ。
『とりあえず頑張るしかないかぁ…。』
スマホで見ていたサイトを閉じてとりあえずエプロンを着けた。…オムライスでいいのかな、いいよね。そのままキッチンで料理をする。思ったより上手に出来たので満足した。ケチャップ…ハート型？ それともニコちゃんマーク？ うーん…あ、そうだ。
私は思いついた言葉をケチャップでオムライスに描く。すると、玄関口から「ただいまぁ」と気の抜けた声が聞こえてきた。
『お帰り〜。』
「あ、エプロンしてる！」
『言い出したの君ですよね？』
「まぁそうだけどさっ、似合ってるよ。」
『…ありがとう。』
肩をぽん、と叩かれてちょっとだけ照れくさくなる。彼に顔を見せないように席に座ることを勧めた。
「今日の夜ご飯は？」
『オムライスだよ。』
「やった！」
彼はニコニコと笑みを浮かべながら私を見つめてきた。そんな視線を背負って出来上がったオムライスを彼に差し出す。
「え、これ、」
『____ぶるーくの為の、オムライス、です。』
私は結局、ケチャップで「大好き♡」とだけ書かせてもらった。めちゃくちゃ恥ずかしかったけどこの後やることに思いを馳せればなんてことは無い。私を見て少しだけ頬を染めたぶるーく。そんな彼の隣で私は一息吸った。
『ぉ、美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん…？』
はたしてこれで正解なのか分からないまま手でハート型を作った。これで彼は満足するのか…？ 私が頭の中で考えていると、視界が暗くなった。
『ちょ、え、ぶるーく、』
「んも〜！ ずるい！ ずるいずるい!! なんでそんなに可愛いのぉ〜!!?」
『え、は!?』
「予想以上すぎて好き…。」
彼はそう言うと私の頬を手で包んでキスを落としてきた。どうやら満足はして貰えたらしい…？
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作者名：モチモチな餅。
| 作成日時：2022年2月13日 22時
