親友の配慮 悪友の好奇心 ページ18
『照〜！』
隠し部屋の扉が空いて、俺を呼ぶ声に振り向いた瞬間
「おまっ…」
部屋にいた一同が意思疎通したと思う
"よりによってAに捕まるんじゃねえよ"
彼女の腕の中にいる猫は、ダラダラと汗をかきながら
必死に俺たちを見て訴えている。
分かってる。言わねえよ。だって俺ら親友だからな。
『ねぇ〜見て見て、すっごく可愛いくない？』
「おー、そうだな」
後ろでだてさんが
可愛いか…？とつぶやいていたが、今はそこじゃない
『飼っていいかな…』
おっとこれは雲行きが怪しい。
「流石に、飼い猫じゃねえか？そこら辺の猫って感じもしないし…」
そうだよねー、と言いながらAはふっか(猫)の背中に顔を埋めた
ギャっとふっかが毛を逆立てているのが
ごめんな親友、笑っちゃいけないけど笑ってしまう。
「猫ってお腹撫でると気持ちいらしいよ」
隣に座っている阿部が唐突に言い出すけど
俺らには分かる。顔に思いっきり(知らないけど)と書いてある。
おま…笑顔でとんでもないことするな…
でも…まぁ、ふっかもイタズラされる立場になってもいいよな…
俺はこの時、親友＜好奇心 になっていた。
『へぇ』
「ニ゛ャ゛ーーーーー！！！(お、お前らー！！！)」
好きな子にお腹を撫でられるとかキツいだろうな
精神的にも肉体的にも。
あ、ふっかめっちゃAと闘ってる。
「こんな時でもAに爪をたてないのがふっからしいよね」
「ぶっ、確かに」
『ねぇ、ふっかは？』
まぁ聞くよな。
「さぁ？見てないけど？」
『飼い主に返す前にふっかに見せたいのにな〜』
まぁ、腕の中に本人いるけどな。
とは言えないが、先ほどからブラック全開の阿部が
ソワソワしている。もうこれ以上虐めてやるなよ…
「なんでふっかに見せたいの？」
『だってこの子、ふっかにそっくりじゃない？』
どうやら女の勘は鋭いと言うのは、間違いではないようだ。
「へぇどこが？」
『目とか、毛色とか、お尻とか？
あと私の大好きな匂いとかも、ちょっと似てるの』
「だからその猫可愛いんだ」
『そうなの！』
「「「へぇーーーー」」」
俺らの目線は一点。顔を伏せた猫もどきに注がれる。
『ほんと可愛いなぁ』
ちゅ、っと猫にキスをするA。
固まる猫(もどき)。
固まる俺たち。
『もしかしたら滝沢先生のとこかな？探してくるね！』
「あ、おう…いってらっしゃい」
「ふっか戻ってきたら、そっとしてやろうな…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
浅野(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！頑張ってください (2023年3月15日 12時) (
レス) id: 7738234d33 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 素敵な世界観で一気に読んでしまいました！続きを楽しみにしています。 (2021年7月1日 12時) (レス) id: 53672676a1 (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - めっちゃ面白くて今まで読んで、評価しかしたことなかったんですが、初めて感想書かせて頂きました！お時間あればぜひ続きが読みたいです！ (2021年4月16日 4時) (レス) id: fb06234f32 (このIDを非表示/違反報告)
薫乃(プロフ) - めちゃくちゃ好みのお話です！！更新楽しみにしてます！ (2021年2月22日 20時) (レス) id: 58fa025e8e (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - Abbさん» ありがとうございますー！とてもとても嬉しいです！魔法の世界について私も詳しい訳ではないので間違いなどかればご指摘ください！ (2021年1月18日 1時) (レス) id: 9a3bbadc3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りえ | 作成日時：2020年12月22日 15時
