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私が諦めてソファに座ると、北斗も当たり前のように隣に座ってきて。
｢今日家行っていいでしょ｣
いま、私の膝に頭を置く北斗が、手のひらで頬に触れてきてそう言った。
…この状況説明だけなら
なんだか和やかな雰囲気でイチャついてるように想像してしまうかもしれないけど
『ほんとにどいて』
実際は私と北斗の静かな戦闘中。
膝の上に置かれた北斗の頭はありえないくらい力が入っていて
この状況を見られたらまずいの一心で
全力の力を込めて起き上がらせようとしている私の腕は
プルプルするだけでビクともしない
｢いいって言ってくれたらすぐ緩めるんだけど｣
『脅し…』
｢脅しじゃない、強行突破っ｣
『そんな胸張って言わないで、一緒』
｢だって折角3ヶ月頑張ったのにまだ1回も行けてないじゃん｣
『、まぁね』
クランクアップを先日終えて今日まで
北斗の言う通り、予定が合わなくてまだ一緒に家で過ごせずにいた。
｢A、乗り気じゃない｣
『いや会いたいなぁと思ってたよ？
でも現場被ったら来てたじゃん』
｢そりゃ会いたいもん｣
『じゃ、会えてるんだし…』
｢家にこだわらなくてもいいって？｣
『うん』
なかなか話を進めようとしない私に
時折寂しそうな顔を見せた後
｢Aはさ、
それで足りてるかも知んないけど
俺は足りないの
現場なんて長く一緒にいれてせいぜい20分じゃん、人目もあるし｣
『…人目とか言って膝に頭乗せてるなら大したもんだよ』
-
小さく笑った私に
｢……わかってるんでしょ｣
小さなため息をこぼして
｢家でゆっくり話したいことあるから｣
とうとう北斗が切り込んできた。
ほんとはお互い、1番話さなきゃと思ってることがあるのに
どっちがどのタイミングで、って探りあってたんだと思う。
『いいよ、私も話したいことあるし』
私は楽屋とかで、
いつもの会話の延長みたいな感じで
『私も、って言っちゃったことだけどさー』
って切り出すのがいいんだと思ってたんだけど
｢やった、じゃ一回帰って着替えてから行く｣
北斗はきっと
そのことも私の戸惑いも全部わかった上で
最後の番宣の日まで待って
家でゆっくり話すのが良いと思ったんだと思う
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れんり。(プロフ) - bbbさん» コメント気が付かなくて、時間が経ってしまっていてすみません。。とても嬉しいです、ありがとうございます！ (2021年5月3日 17時) (
レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
bbb - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 07513b1c51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり。
| 作成日時：2021年2月26日 23時
