始まりの予兆* ページ4
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｢あの、俺と付き合って貰えませんか｣
『…君ジャニーズなんだってね』
俺が売れない限り、もう城沢Aには会えないと思っていた。
のに、
ある日のレッスン帰り、淡い期待を寄せてあの時のベンチに行くと、彼女がいて。
『よ、体調は大丈夫？
途中で帰っちゃったからずっと気になってて』
なんて言って、トドメのように俺の心臓を撃ち抜いてくれた。
『わたしね、聞いたら大学2年生と同じ年齢だった
君とは2個違うのかな』
｢いや、色々あって俺1個下と一緒の学年なんで年齢は1個差です｣
もうあれから１ヶ月は経ってるのに
わざわざ忙しい合間を縫って会えるか確証のない俺を待っててくれたのかって。
…で、会ってまだ2回なのに、冒頭のように勢いで告白してしまって。
だけどその返事は想像と全く違うものだった
｢え｣
『テレビ、君が映ってたからびっくりした。
�� 松村北斗くん�瓠�
｢ごめん、なさい
隠すつもりはなかったんです、けど｣
『あ、攻めてるんじゃなくて！
私こそ、この前は気づかなくてごめんなさい』
｢いえ、僕が全然売れてないだけなんで｣
『そんなことないじゃん
今は準備中でしょ、花咲かせるための』
｢…咲くかどうかは、分かんないですけど｣
『松村北斗くんなら絶対咲くよ
なんかそんな気がする』
芸能界で成功していて
しかもこんなに圧倒されるオーラがあるのに
なんでこの人はこんなにも人に寄り添えるんだろう
｢好きなんです｣
なんか、この機会を逃すなって本能が言っていて
しれっと流された告白を、もう一度口に出してみる。
でも
『体調は戻ったみたいだね。元気そうでよかった。
次は君と作品で会えたらいいね。
それじゃ、松村北斗くん』
ってやっぱり流されて
相手にされないか。なんて
肩を落としたのに
最後、俺とすれ違う時に
『若いね。出会って2回の女に簡単に好きって言っちゃダメだよ』
なんて微笑んでから行ってしまった。
若い、なんて
俺ら1個しか変わらないんだけど。
言ってやろうと振り返って、去っていく背中を見ると
｢……っ｣
息を飲むほど綺麗で、
もっと年上な大人に見えてしまった。
若いね。
君のその一言が悔しくて
俺はこの日から大人を目指すようになった。
君に相応しい大人の男になれるように。
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れんり。(プロフ) - bbbさん» コメント気が付かなくて、時間が経ってしまっていてすみません。。とても嬉しいです、ありがとうございます！ (2021年5月3日 17時) (
レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
bbb - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 07513b1c51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり。
| 作成日時：2021年2月26日 23時
