.* ページ16
.
俺らがこんな会話を今小さな声でできてるのは
『このまーまてーきーすろー』
ずっとAが歌いながらスープを掻き回しているから。
目の前の大男どもは集中力を最大限に高めたって顔のまま
どうぞ、ってADさんみたいな仕草をした後、スマホに耳を近づけた。
…あ、喋りだせってことね。
｢今日テンション高くない？歌まで歌っちゃって｣
俺が喋り出すと、歌うのをやめて
『今日贅沢しちゃったんだよね、だからかな』
よくぞ聞いてくれましたとばかりに画面に顔を近づけて嬉しそうにする。
｢なに美味しい肉でも食べた？｣
『違う、なんか急に唐揚げ食べ比べしたくなって』
｢唐揚げ？｣
『そう。冷凍の
今、凄いいっぱい種類あるの、知ってた？
で、我慢できなくてスーパーで全種類買っちゃった』
｢…それが贅沢？｣
『うん』
なにそれ可愛すぎない…
メンバーも俺も軽くノックアウト状態で頭を抱えていると
『いや、結構全部違って美味しそうなんだよ？』
なにか勘違いしたのか、焦るように冷凍庫を開けてパッケージを一生懸命見せてくる。
『…こんなんなんぼあってもいいですからね』
｢…ん？｣
それでもなんの言葉も発しなかったら、ボソッとAが某芸人さんの言葉を言ってボケてきて
逃すまいと聞き返すと
『なに』
冷めた声が帰ってきた
｢ぶっ｣
｢ふふ｣
｢DHAHAHAッ｣
｢ダメだ｣
｢むり｣
ずっとプルプルしてたのは分かってたけど、耐えきれなくなったのか笑いだしたメンバーを思いっきり叩いて
｢ごめん、楽屋うるさくて｣
『いいじゃんー楽しそう』
焦りを出さないように笑顔でAを見る
『仕事巻いて良かったね』
｢うん。ねぇ今日行っていいの？｣
『え、北斗が来るって言ったから鯛めしにしたんだけど』
｢そうなの？…だって既読になんないし｣
『あー、付けるの忘れてた、ごめんね？』
｢いーよ｣
『…北斗が来るなら、と思ったの
折角贅沢するなら一緒に食べたいなって』
｢……またそういうこと言う。｣
『ほんとに思ってるもーん』
俺に叩かれて、大人しくしていたメンバーは
Aの言葉に驚いた表情を見せる
そして何故かすっごい笑顔で
｢脈アリだ！！！！｣なんて口パクをして
ハイタッチをし合ってる。
良かったじゃん、って見てくるコイツらに首を横に振ると
すっごい不思議そうな顔をした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れんり。(プロフ) - bbbさん» コメント気が付かなくて、時間が経ってしまっていてすみません。。とても嬉しいです、ありがとうございます！ (2021年5月3日 17時) (
レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
bbb - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 07513b1c51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れんり。
| 作成日時：2021年2月26日 23時
