お祈り ページ41
あのあとは何事もなく寝て、今は朝だ。
「Aー、朝ごはんできたで」
ゾムがそう言いながら、机の上にお皿を置く。お皿には、ふわっふわのパンケーキが乗っていた。
『めっちゃおいしそう…』
「たくさん食べてな」
『はーい』
ゾムに返事をし、パンケーキを食べ進める。
パンケーキは見た目通りふわっふわで、口に入れた瞬間溶ける、という表現がぴったりなくらい柔らかい。
『ん〜、おいしい』
ピンポーン
ゾムの家のチャイムが鳴り響く。
誰だ?こんな時間に。
「入ってきてええで」
ゾムがそう言うと、玄関の扉がゆっくりと開く。
そして扉の先にいたのは、ベージュ色の髪に白い瞳のイケメン。エミさんだ。
『あれ?エミさんなんでいるの?』
「それはこっちのセリフなんですけど…」
2人とも頭にはてなを浮かべる。
「俺とエミさんは家が近いから一緒に登校してるんよ」
ゾムの説明のおかげで、私の頭のはてなが消えた。
『へーそうなんだ』
「Aさんはどうしてここにいるんですか?」
『私は家の玄関壊れてて帰れないから居候中』
「なるほど」
エミさんこんな雑な説明で納得するんだ。
「エミさん、今日は早いな。お祈りはいいん?」
「それならさっき終わりました」
え?お祈り?
さっき疑問が消えたばかりなのに、また新しい疑問が出てくる。
『エミさん、お祈りってなに?』
「私、宗教に入っているんですよ。それで毎朝お祈りをしなくてはいけなくて…」
へー、大変そう。そう思いながらパンケーキの最後の一口を頬張る。
『ごちそうさま。おいしかったよ』
ゾムにそう言い、お皿をシンクに置く。
「皿は俺が洗うから、Aは制服着てきな」
『わかった、ありがとう』
「ゾムさん珍しいですね。鬱先生とかだと自分で洗えって怒るのに」
え、そうなの?
「Aは別やろ」
「ふふ、そうですね」
そんな会話を聞きながら、昨日寝る時に使わせてもらった部屋に向かう。
制服はそこに置かせてもらっているので、そこで着替えるつもりだ。
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せい(プロフ) - たぴくんさん» コメントとても嬉しいので、早めに返してしまうんですよねw。需要ありと言っていただけて嬉しいです! (2022年9月12日 18時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 返信早っ!更新気長に待ちます!後需要ありありですよ! (2022年9月12日 17時) (レス) @page28 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - たぴくんさん» 可愛いなんて初めて言われました…!お言葉とっても嬉しいです!ありがとうございます! (2022年9月12日 17時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - とってお話面白可愛くて大好きです!勇敢で友達思いな主人公ちゃん可愛いー❤更新楽しみにしてます! (2022年9月12日 17時) (レス) @page27 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - ゆず。さん» 需要ありと言っていただけて、とても嬉しいです!その言葉だけで一生頑張れます!ありがとうございます! (2022年9月12日 7時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せい | 作成日時:2022年8月17日 19時