転校生と主役たち２【wrwrd】

ゾムの過去 ページ38

「なんで嫌われたん？」

ゾムがまた質問をしてくる。

『その子の彼氏が私に惚れたとかで、別れちゃったんだって。だからその逆恨みだと思う』

「A悪くないやん」

ほんとにそう。いつ考えてもイラつくな。

『ごめんね！なんか辛気臭くなっちゃった！ゾムの昔の話も聞きたいな！』

むりやり笑顔を作り、話題を変える。

このまま私の話をしていたら、テンションだだ下がりで最悪のお泊まりになってしまう。

「ええけど…俺の話も辛気臭いで？」

『いいよ』

どんとこい、そう思いながらゾムの方を見ると、なぜか鼻で笑われた。

「俺、中学生のとき、女嫌いじゃなかったんや」

『ええっ！？』

驚きのあまり声が出てしまう。

てっきり、そのころから女嫌いだと…

「けど、高校1年生になったばっかりのときに、知らん上級生の女に空き教室に呼び出されて…」

ゾムの顔がだんだん暗くなっていく。

「そこで襲われて…それから女嫌いになったんや」

だから、女は自分の欲のためならなんでもする生き物って言ってたのか。

「あっ、で、でも！Aのおかげで女嫌いましになったんやで！それに俺Aのこと好きやし！」

『えっ』

それってなんか…告白みたい…

そう意識すると、一気に顔が熱くなってくる。

きっと今、私の顔は真っ赤だろう。

「えっ、なんでそんなに顔赤く…あ…」

どうやらゾムも気づいたようだ。

ゾムの顔もだんだんと赤くなり、最終的にはなんとも言えない雰囲気になる。

「い、今のは告白じゃなくて！」

『わかった！わかってるから！』

数秒間、その場がシン…と静まりかえる。

「…ご飯食べよか」

『了解…』

なんかどっと疲れたな…

ソファから立ち、リビングのテーブルを見る。

『えっ！めっちゃおいしそう！』

テーブルの上には、とてもおいしそうな親子丼が置いてあった。

おいしい親子丼→←前の学校

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す