父の思いを受け継いで ページ44
お父さんが家を出る時、私はいつものように、いつもの時間に帰って来ると...ずーっと思ってた。
でもそれが間違いだった。
今でも思うの。
“あの時に戻れたら、お父さんを海へ行かせなかった”
って...
けど、そんな時に鬼殺隊の人が何人か家に訪問して来てこんな事を言った。
“貴女のお父さんが亡くなった日の海や天気は、荒れていなかった”と。
私たちは、浜に打ち上げられた数人の亡骸と船の残骸が流れ着き、誰しもが見えない遠くの沖で○が来て、船が波に飲まれたのだとばっかり思っていた。
でも確かに死体は体の一部が必ず無くなっていた。
頭が無かったり手が無かったり、足が無かったりなど奇妙な死体だと思ってはいた。
だが波に飲まれた以外に何も考えられない。
逆に、それ以外の何で父は死んだのか気になった。
“母「じゃあ夫はどうして...どうして死んだのよ!」”
“隊員「それは、鬼です...」”
“母「ふざけた事言わないで!鬼なんかいるわけ無いじゃない!?」”
“唯愛「ねぇ!止めてよお母さん!」”
母は狂ってしまいそうな勢いで、鬼殺隊員に罵声を浴びせた。
確かに鬼なんて昔の言い伝え、人間の空想で作り上げた生き物。
普通、皆んなそう思う。
けど私は鬼殺隊員の人達が嘘を言ってるようには見えなかった。
あの真剣な表情...
“唯愛「お母さん...私、父さんの仇を取りたい!だから鬼殺隊に入りたいの!」”
そう言った途端、空気が歪んだ。
台所で洗い物をしていた母はゆっくりと、蒼白な顔で振り返った。
“母「ねぇ...本気で言ってるの?」”
“唯愛「え...」”
“母「そんなの私が許さない!アンタに何が出来るのよ!?」”
“唯愛「...」”
“母「そんな馬鹿な事言ってないで、早く玄関をほうきで掃いて来て!」”
それからは、母に相手にされなくなった。
“父「お前の人生なんだから、やりたい事をするんだぞ?」”
“「いいか?諦めない事が肝心なんだ。」”
“「そこで、自分で努力と決めつけたら“それは努力じゃない”。」”
父の私に言った言葉を、思いを繋ぐために私は...
家を出た。
師範に頼み込み、やっとの思いで稽古を付けてもらい、その二年後に念願の最終選別を受けた。
血反吐吐くような、辛かった鍛錬をここまで乗り越えられたのもお父さんの言葉があったから。
お母さんには最終選別を合格した後に手紙を出した。
お母さんは私が出て行った時、自害してしまいそうになったと...
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ラムネ - ヨッシー2号さん» 頑張って今日は後編まで出しますw (2020年3月2日 14時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー2号 - 続きッ!続きをッ!くださいッ! (2020年3月2日 13時) (レス) id: 068bdbacd4 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - らい太郎さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年2月29日 13時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
らい太郎(プロフ) - 真衣ちゃァァん!私真衣ちゃんみたいなキャラ?悪女からいい子に、見たいなキャラが好きで、ほんと!ありがとうございます!←最新頑張ってください! (2020年2月28日 23時) (レス) id: 61d99012e6 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - マドレーヌさん» すみません、悪女の苗字を変更しました! (2020年2月27日 22時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラムネ | 作成日時:2020年1月5日 23時