鬼への復讐

頑張ったよ ページ31

上を向いていないと、どんどん涙が溢れてきそう。

お館様「Aは自分の屋敷で暮らすと良い。屋敷はあげる、隠に運んでもらいなさい。」

『はい...』

後藤「どうぞ。」

『お願いします...』

お館様「後...炭治郎と善逸、伊之助や義勇と無一郎も下がって良いよ。」

義勇・無一郎「「御意。」」

三人組「「「はい...」」」

お館様「それに真衣、君は早急に出て行くように...」

真衣「そんな事分かってるわよ。」

真衣は淡々と話し、平然としている。

取り敢えず自分は屋敷に帰り、荷物をまとめた。

ここに残るつもりはさらさら無い。


いっそ師範の所にでも行って...

『あ...』

駄目だ。今回の件がバレる...ッ

この事がバレたら『きっと怒られる。』

師範に“諦めるな”って言われた...

なのに自分は“諦めた”...鬼殺隊に居るのを。

貴殺隊に、自分の屋敷に...居るのを諦めた。

ここに居場所はないと確信してから...


ガラガラッ)

！？

突然、玄関の戸が開く音がし、小走りで玄関先に向かいた。

すると玄関ではあの三人と冨岡さん、時透が居た。

また...何か言いに来た。

『ねぇ、何しに来たn(パチンッ！！)...』

凄い威力で頰を叩かれ、後ろに体制を崩して倒れた。

『え...』

一瞬、何が起きたのか理解が追い付かない。

痛い...

ジンジンする左頬を左手で押さえ、立ち上がった。

時透「馬鹿じゃないの...？」

どうやら叩いたのは時透だった。

『は...？』

何言ってるの...？

善逸「ねぇ、何で柱から逃げたの！？このままで良いわけ！？」

炭治郎「そうだ！他の柱は何にも分かってない！」

伊ノ助「あぁ！アイツらに何で立ち向かわねぇーんだよ！？」

冨岡「何故アイツらに背を向けた...」

時透「あの人達、何にも気付いてないよ？良いのこのままで？立ち向かわなくて良いの？」

『何で...？』

炭治郎「...」

はぁ...また涙が出てきた。

私はもう休みたいのに、まだやらなきゃいけないの？

『何で...私は頑張ったよ？』

拳を強く握り、涙を見せないように俯いて、そう言った。

涙が止まらない。さっきよりも涙が溢れ出てきて、床に一粒とまた一粒とこぼれ落ちた。

泣いていて声が少し震えながらも、

『私、頑張ったんだよ...？何言われても、何されても我慢したんだ。他の柱や真衣に手を出さないように、師範の顔に泥を塗らないように...』

善逸「A...」

炭治郎「ッ...」

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