鬼への復讐

本性 ページ28

真衣「そしたらまぁ、まんまと引っかかってくれるわで、今の状況。本当にチョロかったわww」

時透「あ...？」

真衣「何怒ってんの？ww最初はアンタもコイツの事嫌ってたくせにw冨岡さんが言う通り、柱かよって思うわww」


プツンッ...



突然、自分の中で何かが切れる音。

それと同時に、腸が煮えたぎるような怒りを感じた。

どこにも消えないような、行き場のない怒りと憎しみ憎しみ。

息は乱れ、顔には眉間にシワがより、手は自然と日輪刀の方に伸びた。

『ハァ...ハァ...』

善逸「Aから...怒っている音がする...！」

炭治郎「なんだこの匂い...！Aから、“怒りを超えた何か”の匂いがする...！？」

伊ノ助「おい、コイツから...ズッゲェ“殺気”が出てやがる！」

冨岡「落ち着けA！」

時透「落ち着いて！！」

皆んなの声は、もう...自分には届かなかった。

何一つとして自分には聞こえない。


頭がグルグルと混乱する中、やっと思った事は、


“殺したい...”

『私、アイツを殺したい。』


皆「！？」

自分が何を言ってるのかは分かっていた。

でもコイツを殺しても、ただの殺人犯。

『お前の勝手な解釈だと思うけど、自分は生まれてこの方、チヤホヤされた事がなんて一度もない。親から虐待を受けていたのに、虐待している親にどうやってチヤホヤされるわけ...？自分はここに来てからも、鬼を狩るだけ。何がチヤホヤされるだよ...気持ち悪い。

ねぇ、お前には“ちゃんとした両親”がいたでしょ？

父親はずっと酒飲んで、骨折するまで蹴ってきた？

母親は気が狂ってた殴ってきた？

そんな事されなかったでしょ？

こんな家庭に生まれてきて、チヤホヤなんて一度も考えた事ない。

そんな私より普通の家庭に生まれたアンタ達なら、そんなどうでも良いことを考えられるんだろうけど。』

真衣「なっ...何よ、感情無しの癖に。」

『感情無しで悪かったね。自分もそんなにお人好しじゃないから。』



真衣「チッ....お前さえ居なけりゃ！私は幸せだったのに！？」

あ...



母“「お前さえ居なけりゃ...私はこんな目に合わなくて済んだのに！！」”


似てる。

コイツ、母さんに似てる。


真衣の言った言葉が、昔、母さんが私に言った言葉と重なった。

胡蝶「ど、どうして...」

甘露寺「...」

真衣と仲良くしていた二人は、絶望に満ち溢れた顔をしていた。

まさか信じた相手が、こんなにも醜い鬼のような奴だったとは...

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