43. フロイドside ページ45
フロイド「…え、」
『僕が五歳の時だったかな、目の前で殺されたんですよねぇ』
けろりとした顔で、何ともなさそうに。
外の風景を写真に収めながら、そう言うクマノミちゃんは少し異常に感じた。
…おかーさん殺されちゃったって話してるんだよね？
なのに何で、そんなにいつも通りなの？
普通辛いことでしょ、自分のこと生んでくれた人が死んじゃったって話してるんだよ。
『母は、綺麗な金髪に綺麗な緑色の瞳を持った、それはそれは美しい女性だったらしいです』
アズール「…緑色の瞳」
『はい。御伽噺に出てくる、髪の長い綺麗なお姫様のお話があるでしょう？そのお姫様のような、とても美しく…それでいて好奇心旺盛、自分を…そして大切な人を守ろうとする強さを持っていたらしいです』
パシャリ、母親の話をしながら木の上にとまっていた鳥を撮る。
フードに隠れ、カメラにさえ隠れている顔を見ることは出来ず。
どんな表情をしているのか、窺うことさえ出来ない。
『母親が殺された時、それがショックだったのか何なのか、僕は記憶を失ってしまっていて』
ジェイド「記憶を？」
『はい。それで、父親を名乗る人の元に引き取られたんです』
…何かそれ、おかしくね？
フロイド「何で父親とは元々一緒に居なかったわけ？」
『記憶のない僕に聞くんですか？』
フロイド「あー…」
それは確かにそうか。
そう思っていると、カメラを下げたクマノミちゃんは俺の方を見た。
…俺は、馬鹿だったのかもしれない。
親が殺されて、記憶もなくなって、平気で居られるはずがない。
どうしてそんな簡単なことも分からなかったんだろう。
『まあ、何でか知ってるんですけどね』
ジェイド「…聞いても良いですか？」
だって、クマノミちゃんは…
『…その人は本当の父親じゃなかったんですよ。父親は、僕が生まれて少ししてから死んでしまったみたいなので』
とても悲しそうに、笑っていたから。
…普通で居られるはずがないの、俺でも分かるよ。
だからさ、クマノミちゃん。
『僕の家族は、僕以外がみんな死んじゃってるんです』
そんなに、悲しそうな顔で笑わないでよ。
辛いなら、無理しないで泣きなよ。
泣くなら、俺が慰めてあげるから。
ぎゅってして、頭を撫でて、背中を摩って、涙を拭ってあげる。
だから、そんなに苦しそうにしないでよ。
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絵宙(えそら)(プロフ) - イデア先輩のあだ名はホタルイカ先輩で、オルトくんはクリオネちゃんだったと思います。本当にこの作品大好きです…！ (2021年1月11日 0時) (
レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - あの…すみませんが…ぷり小説してますかね…？ぷり小説にこれのパクられた…？感じの小説があるんですよ…私の思い違いであればすみません！（ぷり小説が平仮名ですみません…） (2020年12月30日 23時) (レス) id: dafce79b0b (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - とてもいいです好きです！！特に48ページ！気持ちが段々と高まっていくそれまでの展開も好き…これから続編進ませていただきます！今後も頑張ってください！！ (2020年7月5日 18時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - GillEllさん» コメントありがとうございます！本当ですか！？嬉しいです！！フロイドさんもジェイドさんも大好きなのでそう言っていただけると嬉しいです！！ありがとうございます、無理しない程度に頑張ります！！ (2020年7月2日 13時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
GillEll(プロフ) - コメント失礼します！！めちゃくちゃ好きです！フロイドとのこれからも気になるし、ジェイドも大好きなので最高の作品でしかないです！更新楽しみにしてるので、無理しない程度に頑張ってくださいね(*^_^*) (2020年7月2日 12時) (レス) id: 91580e0249 (このIDを非表示/違反報告)
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