聞かせて ページ42
『まだ目、覚めてないか』
面会時間の開始に合わせて朝から病院へ
そこにはまだ眠って目を覚まさないタケミチ
静かに窓に近寄り、カーテンと窓を開け、新しい風を中へ吹き込む
マイキーとドラケンの喧嘩が無くなったから、エマちゃんが来ることも無い
気長に待とう。と外を眺めていると
武｢うーーー〜〜〜ん｣
背中から唸るような声が聞こえた
『おはようタケミっち。元気そうで良かった』
声をかければ驚いたように目を開き、口を開けてこちらを見つめる
『逃げる途中で倒れるからびっくりしたよ〜』
この間のことをなかったかのように普通に接するが、タケミチはどことなく気まづそう
『あ、マイキーたちは無事だよ！今日もなんか遊ぶってはしゃいでた』
ペラペラと私だけが話す
独り言みたいになるからなんか反応して欲しいんだけど
『これで愛美愛主との抗争も終わって一安心だよね〜』
武｢あのさ！｣
やっと口を開いたかと思えば話を遮るように切羽詰まった顔で話しかけてきた
『....なぁに？』
遮られたことは敢えて問い詰めず、笑顔で答える
武｢Aって何者なんだ？｣
『え〜？この前も同じこと聞いたよね？ただの東卍創設メンバーで、ただの小学生だってばー』
はぐらかすようにヘラッと笑うが、タケミチの表情は依然として真剣なままだ
その様に思わず真顔になる
それに気づいたタケミチの体が固まるのがわかる
『それを聞いてタケミチはどうしたいの？』
急に呼び捨てられたことにさらに困惑した様子のタケミチ
しかし、少し考えたあと答えた
武｢俺は....みんなを救いたい｣
『みんなって誰？ヒナちゃん、マイキー、ドラケン？あとは？』
武｢え、後は....｣
自分の中で助けたい人がいることは悪いことではない
けれど、タケミチの場合は稀咲含め、他を敵だと思い込んでいる
タケミチの助けたい人を考えればそうなるのも仕方が無いとも言えるが
『私はね。みんな助けたいの。誰とかじゃない。私と関わる人全て。無謀だと思う？』
窓辺にもたれ掛かり、自嘲するように笑ってみせる
唖然とした顔で固まるタケミチ
『私はね、敵なんていないと思うの』
そんなタケミチを他所に言葉を続ける
『みんながみんな、自分の幸せのために必死にもがいて生きてる。それを悪とするにはあまりにも自分勝手じゃない？』
"ねぇ？"と同意を求めるように目を合わせる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 583人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凹凸(プロフ) - あぷるさん» 以外とママな蘭ちゃんがいると信じております笑真一郎さんは完全にパパ枠なので笑って見てそう。お説教終わったあとに優しく諭してくれる真一郎パパ.... (2021年9月30日 20時) (
レス) id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - お説教してる蘭と竜胆...ママ？と錯覚しそうになりました笑これは真一郎くんもなかなかの予感... (2021年9月29日 22時) (レス) @page47 id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
凹凸(プロフ) - 飴玉さん» わぁ！╰(*´︶`*)╯ありがとうございます！！参考にさせて頂きますね(*´▽｀*)絶景やっぱり思いますよね！？お仲間だ！！！ (2021年9月28日 10時) (レス) id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - ぜんっぜん長くていいです！！むしろたくさん読めるの嬉しいのでifでもなんでも大歓喜です！！！絶景わたしも思いました笑（） (2021年9月28日 1時) (レス) @page46 id: e8fc766662 (このIDを非表示/違反報告)
凹凸(プロフ) - ひー(比古)さん» ご意見ありがとうございます！！参考にさせて頂きますね(*´▽｀*)作品を好きと言っていただけで作者冥利に尽きます！！これからも逆別をよろしくお願いします(*´`*) (2021年9月27日 15時) (レス) @page40 id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凹凸 | 作成日時：2021年9月18日 19時
