逆ハーは別に狙ってない！！！【東リベ】

予兆.6 ページ41

静まり返った工場内にマイキーの落ち着いた声だけが響き渡る


マ｢東卍はオレのモンだ。オレが後ろにいる限り誰も負けねぇんだよ｣


愛美愛主とタケミチの生唾を飲み込む音だけが連鎖的に聞こえる


そろそろかな


ドラケンに｢やっちゃった｣と気まずそうに笑うマイキーの後ろで長内の起き上がる姿が映る


『マイキー！！！』


龍｢あぶねぇマイキー！｣


マイキーの名前を怒鳴るように叫ぶのと同時にドラケンがマイキーの壁になるように前に出る


武｢ドラケン！！！｣


タケミチが焦ったように名前を呼ぶ


瓶の握られた手は簡単にドラケンよって抑えられ、膝が綺麗に長内の鳩尾に入る


龍｢テメェらの頭は東卍のマイキーがノシた！！！文句ある奴いるかぁ！！？｣


ドラケンの威圧感に全員が黙り込む


呆然とその姿をみんなが見つめる中、私はたった1人だけを見つめていた


龍｢いねぇなら、今日から愛美愛主は東京卍會の傘下とする！！！｣


これで喧嘩は終わり


そして私の仕事の始まり


遠くから警察のサイレンが鳴り響いて工場内に届く


唖然とマイキーとドラケンを見つめていた愛美愛主の連中はハッとして我先にと工場の外へ走っていく


東卍メンバーはお気楽に笑いながら愛美愛主と反対方向へ走っていく


龍｢オイ愛美愛主！！｣


長内を抱えたままのドラケンは逃げていく愛美愛主のメンバーの背中に声をかけ、長内を預けようとする


そこへ向かって私は走り出した


手を出したその刹那、手のひらに激痛が走った



『えへへ....っつ....セーフ』


パーちんが刺そうと駆け出したのを見逃さず、長内に刃先が届く前にナイフの刃を左手で掴んだ


シュミレーションではナイフを握る手を止めるつもりだったんだけど


思ったより間に合わないと感じ、反射的に刀身を握りしめてしまったのだ


地面にぽたぽたと血溜まりが出来る


龍｢何やってんだよパー！！！｣


一瞬固まっていたドラケンがパーちんを突き飛ばす


パーちんもまさか止められると思っていなかったのか、ナイフを握る力が抜けており、すんなり手が離れた


そしてそのまま後ろに尻もちを着いてしまう


ドラケンの声にマイキーたちが振り返って驚いた顔で固まる


龍｢おいA！ナイフから手ぇ離せ！！｣


痛くて手を動かせずナイフを握りしめたままの手を声量とは裏腹に優しく触る


龍｢Aっ！！｣


ナイフを離せずにいる手をどうしたら良いのか分からず珍しく焦っているドラケン

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