逆ハーは別に狙ってない！【東リベ】

好感度って ページ11

竜｢A〜｣


『りんにぃ〜』


胡座をかく竜胆の腕に抱かれながらお互いの名前を呼び合い、顔を見合わせ互いに満面の笑顔を向ける


蘭｢Aちゃ〜ん....蘭にぃにも構ってぇ｣


後ろから蘭の寂しげに嘆く声が聞こえる


そう。2人と出会った日からなぜか私の暮らす部屋に入り浸るようになった


聞き慣れないインターホンの音に驚き肩を跳ねさせたのは数日前のこと


流石高級タワマンだけあって、当然モニター付きのインターホン


高い位置にあるそれを見上げれば見覚えのある顔が2つ


『やしゅいさん！らんにぃとりんにぃ！』


インターホンの音に気づき、急いで家事を中断する安井さんに声をかける


安｢らんにぃ？りんにぃ？Aちゃんお友達？？｣


スリッパのパタパタという音を響かせ急いで駆けつけてくる安井さん


そしてモニターをのぞき込むと息を飲み、固まる


私から見てもわかるほどに震える手でモニターの下にある"通話"のボタンを押す


安｢いらっしゃいませ。蘭様、竜胆様。どのようなご要件でしょうか｣


本家の苗字が"灰谷"だったから何となく察してはいたが2人は一族の中でも特に偉い家系なのだろう


安井さんは見たこともないほど改まって言葉を紡ぐ


蘭｢A。いるよね？入れて｣


竜｢A〜遊びに来たよ〜｣


笑顔でモニターに手を振る二人


それから2人は毎日午前中に来て、Aと昼食を食べ、Aがお眠になるまで一緒に遊び、寝ている間に帰る


というルーティンで家に来る


どうやって私の家を特定したのかは怖いので考えるのはやめた


というか、学校は？


『らんにぃ、りんにぃがっこは？』


蘭｢Aは学校がもう分かるんだねぇ。賢いね〜｣


蘭と竜胆はAが何をしても褒める。頭を撫でる。抱きしめる。頬にキスをする。


さすがにもう慣れてきたし、推しからのスキンシップに満更でも無いため、ツッコミは放棄した


『えへへへ』


アホみたいなことでも褒められると当然嬉しい私は照れ笑いを隠すことなく満面の笑み


竜｢可愛いなぁ｣


Aを抱いていたその手に力を込め頬擦りをする竜胆


まさか2人がこんなに子供に甘いとは思わなかった....


まじ神様ありがとう


私はキャッキャッと子供らしく喜んでいると蘭が近づいてきて寝転ぶ


長くなりかけの髪がサラリと床に落ちるのがまた艶っぽく、本当に小学生なの君


竜胆の鎖骨辺りがチカチカっと光り、電子的な文字で書かれた数字が12.6から13.8に変わる

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