お館様のお子様はのびのびと生きたい。【鬼滅の刃】

拾弐　「仮だけど」 ページ12

『いやだから、善逸にも帰る場所がある様に僕にもあるんだ。分かれ(命令)』


「何で男口調なの！？無理だよ俺これから死ぬから今の内に結婚しないと駄目なんだってええええええ！！！」





赤い顔から通常に戻ったと思ったらこの有り様である。
まだ戻りきってないんだ(戻ってる)

どうしようか。流石にこのまま放置は罪悪感で押し潰される。
簡単に同意しては駄目だなと反省しながら善逸の早口言葉に耳を貸す。





『そんなに結婚したい？』


「うん！！！」


『じゃあ一つ言っとくと、幸せな家庭を築きたいなら私はやめた方が良い』





何せ私は鬼殺隊の親、お館様の娘だから。
お館様の為ならって人は幸せだろうけど、ただ結婚したい人には色々と苦痛があると思う。善逸は良い人だから良い人と結婚出来るよ。私はそう思うし、願ってる。





「.........分かった」


『それなら良かっ______』


「俺はAちゃんと幸せな家庭を築くよ」


『あれ。話聞いてなかった？？？』





「絶対に幸せにするから」と真剣な顔で言われた。
精神強すぎない？善逸、鬼に対してあんなに恐怖抱いてたよね？一生鬼と縁切れなくなるよ？
とは言えない為、言葉に詰まる。

それに会って数日しか経ってない...いや初対面で結婚申し込まれたからこれは意味ないな。
返答に困っていたら善逸が先に口を開く。





「仮！仮で良いから婚約者にしてください！！！」


『.............他に好きな人出来たら言うんだよ。仮ならまだ戻れるから』


「ありがとぅうううううううううう！！！Aちゃん以外見えないけど分かった！」





折れる気配がないから、仮だし良いかと了承した。
こんなに結婚に必死ならきっと会わない間に良い人をちゃんと見つけるだろう。

拾参　「家族というもの」→←拾壱　「煽りという程素晴らしい武器はないと思う」

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