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染まれ染まれ。 7 ページ8

おそ松は一松とトド松の二人を見ると、あちゃー、という何とも罰が悪そうな顔になった。
「おまえら二人はだめだったかー、ごめんな。怖かったろ」
 やっと他人を顧みる余裕が出てきて、隣のトド松を見ると、トド松は自分と同じように座り込んでボロボロ涙を流しながら、おそ松の言葉に激しく頷いていた。
「バカー、おそ松兄さんのバカー!」
 そう言いながら、ボロボロとこぼれる涙を拭いている。
「あー、泣くなよトド松ー。ほんっと、こればっかりは兄ちゃんが悪かった」
 しゃくりあげるトド松。
 一松は自分も流した涙を拭いた。
「まあ、トド松と一松には後で散々謝るとして。お兄さん、何か言いたいことは?」
 おそ松は一松とトド松へ苦笑いを向けてから、男の方へ目を向け、にっこりと笑って言った。
 男は恐怖で未だに強張った顔で、何とか言葉を絞り出した。
「そうか、おまえが、ボス、か……」
 男のその言葉を聞き、おそ松が満足そうな笑顔を浮かべて、明るい声で喋った。
「そういうこと! カラ松は、まあ俗に言う影武者ってやつ? まあ全然俺は忍んでないんだけどね! やっぱ殺気放ったらわかんだねー!」
 楽しそうなおそ松に、男は苦々しげな顔になって返した。
「そりゃ、な。そんな化け物じみた殺気放てる奴なんか、ボスぐらいしかいねえよ」
「おっ、嬉しいこと言ってくれるねー! でもねえ、このチョロちゃんは特別なときしかやっちゃいけないって言うんだよねえ」
「当たり前でしょ。そんな殺気、無差別に振りまかれたら、兄さんの正体はバレるし、下っ端達もたまったもんじゃないから」
「ほらね! つまんねえの!」
 呑気すぎじゃないか、と一松は思うが、これがおそ松にとってみれば普通であるので口をつぐむ。
「まあ、褒めてもらって悪いんだけど、さっきチョロ松に言ったとおり、俺、おまえのこと五体満足で帰すつもり無いから。てか、帰すつもりもないかな?」
 おそ松の言葉を本気だと知り、男の顔が青ざめる。
 おそ松は楽しそうな笑い声を上げて、こう言った。
「じゃ、一松、拷問よろしく!」
「……え?」
 自分にいきなり話が振られて、思わず間抜けな声が出てしまう。
「え? じゃないよー。拷問はおまえの仕事だろ?」
「あ、うん。わかった」
 素直に返事をすると、おそ松はうん、と頷いて自分に指示を出した。
「拳銃の隠し場所とそこの警備体制、後、ボスのお気に入りくらいは吐かせて欲しいかなー。それ以外は好きにしてくれていいよ」

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設定タグ:おそ松さん , BL松 , 完全リクエスト制   
作品ジャンル:アニメ
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野口 - 今回のお話は、なんて言うか、さすが兄さんみたいな感じで、かくなるうえは!新星病みこわかわいい! 次回のお話もとても楽しみにしてます! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 読むの遅くなりましたが、今回も最高でした!パーカー松本当に好きで、自分好みの文章を書いてくださるAsterさんに、自分好みのお話を書いていただいて本当に嬉しいです! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» ありがとうございます! 更新が遅くなって申し訳ありません! 今回の話は全然自信が無いです……。時間を見つけてぼちぼち執筆していきますのでよろしくお願いします。 (2017年8月15日 18時) (レス) id: 6f6df49f3d (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新作おめでとうございます! (2017年1月19日 18時) (レス) id: 9a188fa29d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Aster | 作成日時:2017年1月13日 22時

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