【オリオンの刻印】間違えて日本代表に選ばれちゃった系女子、世界を相手に奮闘する。その２

その６５：しょしんしゃ は あらたなちしき を えた！ ページ20

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試合再開後。

円堂がタイムトランスを突破したことによって、これまで押され気味であったイナズマジャパンの雰囲気はみるみるうちに立て直されてゆき、“攻め”の流れが完成しつつあった。

灰崎のパーフェクトペンギン、ヒロトのザ・エクスプロージョン……と日本側の得点は続く。そんな中、氷浦もまた何か考えがある様子で、フィールドではボールを所持している鬼道に向かって「俺に考えが！」と呼びかけている彼の姿が見受けられた。



「──氷の槍！！」



鬼道から渡されたボールは氷浦の“氷の槍”を通して、その名の通り槍のように鋭く前線へと飛び込んでいく。

氷浦の近くにいた一星はどこか焦った様子でやや違和感のある動きを見せたが、鬼道の「行くぞ！」という掛け声と共に鬼道・灰崎・不動の三人がボールを追いかけるように走り出したことで、誰もそんな姿を気に留めてはいないようだった。



「──デスクラッシャーゾーン！！」



三人は独特なフォーメーションを作り上げると、そのまま強烈なシュート技を相手チームのゴールへと打ち込む。

一星やオーストラリアの選手たちもろとも巻き込んでゴールに打ち込まれたそれは、当然キーパーの手で止められるはずもなく、晴れて日本は4点目を勝ち取りついに同点に追いついた。



『必殺技を複合させるオーバーライド技炸裂！ 新たな必殺技だーッ！！』

「へー、オーバーライド技かあ」



一連の流れをフィールドの中から眺めていたほたるは、興味深そうに一人頷く。初心者の希薄な知識に、また新たな情報が追加されたようだ。





「──仕方ない。最後の切り札を打つ！」

「──一星。大丈夫か、立てるか」


──世界大会の水面下では、少年サッカーの世界大会らしからぬ何か『大きなこと』が動いているようである。

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