その２４：顔を合わせるたびに若干ピリつくのはなんなの ページ26
☆
夕食の時間になり、ほたるは腹を片手でさすりながらも相変わらず一人で長い廊下を歩いていく。
合宿二日目で、しかも辛い練習を共にしたわけでもないこの現状では、まだまだほたるも場の雰囲気に馴染みきれていないのだろうか。
……なんて、本人にとっては余計なお世話な心配事は置いておいて。
「六連星さん！」
「ん？ ……あ」
背後からぱたぱたとほたるのもとへ駆け寄ってきたのは、なんとも人当たりのいい笑みを浮かべたあの一星充だった。
一星といえば、ほたるが初対面から本能的に苦手であると判断した、ある意味不思議な人物である。
本来であればほたるは人を第一印象だけでは判断しないはずなのだが、彼に限っては違う。彼女は一体どういう了見なのだろうか。
「一星くん。やっほ、練習お疲れさま！」
「お疲れさまです。あの、食堂に行くんですよね。迷惑でなければ、俺も一緒に向かってもいいですか？」
「もちろん！ 一緒に向かおう」
一星の誘いに応じて、ほたるもまた人当たりのいい笑みをにこりと顔に浮かべた。
……しかし、ほたるの対人モードと非・対人モードの使い分けは実に見事である。
今の彼女に、監督を呪おうとしたり、時折言葉遣いが乱れてはそれを自ら訂正したりする脱力気味な彼女の姿は見る影もない。
とはいえ、それは何も猫を被っているわけではない。一人の時と誰かといる時とで人柄が変わるのは、わりと誰にでもあることだろう。
「いやー、まさかまた一星くんが話しかけてきてくれるとは思わなかったな。
「……あの」
そう零し不意に足を止めた一星に合わせて、ほたるもそっとその足を止める。
俯いているがためにその表情は見えないが、少なくとも今の彼の雰囲気が普段の一星のものと違うことは明瞭だ。
そんな彼の姿に、ほたるは思わずゴクリと息を呑む。そうして俯きがちに放たれた彼の言葉は、ほたるが想像していたものとははるかに違ったもので。
「無理、しなくていいですよ」
「……は？」
彼が顔を上げたことで見えたその表情は、恐ろしく感じてしまうほどにひどく優しい微笑みだった。
その２５：深読みしすぎて失敗するやつ→←その２３：これは好青年だわ
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
