その２２：空腹感には勝てない ページ24
☆
「只今戻りましたよ〜」
日もそこそこに暮れてきた頃。
観戦を終えた趙たちはスポーツセンターに戻り、趙がそう声をかければすぐにマネージャーの大谷が入り口の方へと駆けつけてきた。
「おかえりなさい！ ……って、ほたるさん！？ 一体どうしたんですか、その疲れよう！」
かなり疲弊しきっている様子のほたるの姿に、大谷は目を丸くしながら思わずそう叫ぶ。
しかし、それもそのはずだ。趙たちはあの試合が終了した後もスタジアムの移動を続け、その後もぶっ通しで二試合を観戦したのである。
当然、試合観戦なんて生まれてから一度もしたことがなかったほたるは、慣れない環境に圧倒され、客席の熱気や趙の怒涛の解説などで精神的にも肉体的にも完全に疲弊しきっていた。
「ああ、彼女のことはお気になさらず。彼らの練習もそろそろ終わった頃でしょうか」
「あ、はい。今はちょうど入浴中ですよ」
あからさまに疲れている様子のほたるには触れないことにして、趙と大谷は着々とこの後の予定を確認していく。
当の本人、ほたるはというと……
「(お腹空いたな……)」
……驚くほど中身のないことを考えていた。
試合に関して、自ら質問して趙から返ってきた解説の数々を整理するわけでもなく、ぐう、と唸りを上げる腹をさすりながら大谷たちの姿を眺めるほたる。
何も、趙は何の狙いもなくただほたるを自分の試合観戦に付き合わせたわけではないだろう。
ほたるはいまだにその意図を読み取れずにいるのか、はたまたは端から読み取ろうとする気なんてないのか。
少なくとも、今日の試合に関しての感想は特に何も抱いていない様子であった。疲弊しすぎて、今はそれどころではないのかもしれない。
「それじゃ、ほたるさん。ほたるさんも、夕食前にちゃちゃっと入浴しちゃってください！」
「あ、はーい」
大谷の眩しい笑みに目を眩ませながらも、ほたるはそう返事をして着替えを取ろうと自室へ戻る。
そんなほたるの後ろ姿に視線を注ぎながら、趙は「どう転びますかねえ」とやはり何やら企んでいる様子だった。
その２３：これは好青年だわ→←その２１：素人、はじめての試合観戦
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
