【オリオンの刻印】間違えて日本代表に選ばれちゃった系女子、世界を相手に奮闘する。その３

その１１９：助けたい一心で ページ27

しかし、そんなイナズマジャパンの中でも、やはりこの男だけは違ったようで。



「……よし、やろう！」



意を決したように紡がれたその言葉に、言わずもがな皆が目を丸くした。



「円堂さん！？」

「一星の面倒見ながら試合しろってのかよ」



困惑の声を上げるヒロトと灰崎に、円堂は頼もしい笑顔を浮かべながら「心配するな！」と二人の肩を叩く。



「ゴールはオレが守ってみせる！」



円堂が力強くそう言い放った瞬間、イナズマジャパンを支配する雰囲気が見る見るうちに変わっていったのが分かった。

そうして最初に口を開いたのは、はじめから誰よりも一星のことを気にかけていた稲森で。



「大丈夫。俺たちがアツい想いを込めれば、きっとサッカーが一星を助けてくれる。……やろうよ、みんな！」



彼の言葉に、皆異論はないようだった。「しょうがないな」と渋々頷く者もいれば、「やってやろう」と早速意気込んでいる者もいる。反応の仕方は三者三様だったけれど、今ではその誰もが同じ「一星を救う」という目標を持っていた。

ほたるもそれに頷きながら、「まあ、そのためにここまで頑張ってきたようなものだしね」と笑った。彼女も異論はないようだ。この違和感の正体を暴けるなら──いや。一星充という一人の人間を、この手で救うことができるのなら。



「明日人の言う通りだ！ オレたちは一星を助けて、試合にも勝つ！ さあみんな、後半戦も行くぞ！！」



円堂の掛け声に、イナズマジャパンは一丸となって「おおーっ！！」と返事をする。気合は十分だ。

この試合の結末が、一体どこに繋がっているのか──それを決めるのは、他の誰でもない一星自身だ。

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