その１１５：一筋の光 ページ23
☆
「いくよ、一星くん！」
試合再開後。野坂はサウジアラビアからボールを奪取すると、すぐにそれを一星に回した。
「(自分の心に、正直に……！)」
一星は覚悟を決めたような表情でそれを受け取ると、しばらくドリブルをしたのちに、今度は稲森にパスを出す。それは再び稲森から野坂の元へと戻り、そこからさらに一星へ。
前線へと足を進めていくうちに、一星は何度かサウジアラビアから強烈なタックルを受けたけれど、絶対にそれに屈しようとはしなかった。微かによろけた身体をすぐに立て直して、灰崎の元へとボールを蹴り出す。
そして、ボールは再び一星のもとへと戻された。野坂を助けた一星の姿を見て、灰崎もついに心を決めたようだ。
「(俺がやりたいのは、あの頃みたいなサッカーだ……！ アツくて、楽しくて、自由に戦えるサッカー！ あの時みたいなサッカーを、いつか絶対に、光と一緒に……！！)」
一星は難なくサウジアラビアのディフェンスを掻い潜っていく。その姿は、やはり"イナズマジャパンの一員"そのものだった。
しかし。そんな彼の速攻を止めようと、ついにサウジアラビアも動き始める。
「裏切り者め！ ──"レッドホットチリ・メテオ"！！」
サウジアラビアの三番・ペッカのディフェンス技に巻き込まれながらも、一星は懸命に足を進めていく。
──兄ちゃん、兄ちゃん……！
「(光……！ お前は、俺が守る……！)」
──兄ちゃん。俺のことは、もういいんだ！
「(俺は……？ 俺は一体、誰なんだ……！)」
──兄ちゃん！
「──俺にもう、構わないで……」
不意に、一星が足元を縺れさせる。そのまま力なく地面に座り込むと、"レッドホットチリ・メテオ"による猛攻の
その１１６：時には嘘も必要である→←その１１４：変わるということ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
coopee - 初めてコメントさせていただきます！久々にイナイレの占ツクをあさっていたら、まさかこんなにも素敵な作品に出会えるとは思ってもいませんでした。主さんのペースで、完結まで頑張ってください！ (2021年2月18日 17時) (
レス) id: 2eec394d2f (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - わぁぁぁぁ！！！続きが更新されてる…！！！楽しみにしてました！！！更新ありがとうございます！！！変な時間に申し訳ございません。これからも無理せず頑張ってください！ (2021年1月25日 2時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 奏さん» 大変長らくお待たせしました…！！変なところで切ってしまってごめんなさい；超マイペースではありますが、これからも完結目指してなんとか頑張っていこうと思います…！コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 華兎くんさん» ご心配をおかけしました…！長い間お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ゆめのわたしさん» コメントありがとうございます。大変長らくお待たせいたしました…！完結までお届けできるよう、これからも頑張っていきます…！！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こめこ | 作成日時：2020年5月1日 21時
