その１０５：スピード感がすごい ページ13
「君はこれまでに、何度か他人の必殺技を模倣したことがあったよね」
「でもそれは、模倣というよりもただの真似事で……」
「たしかに、それは完成された技ではなかった。だけど、たしかにその力で世界と渡り合ったんだ。前にこれまでの日本の試合の映像を見せてもらったことがあるけれど、君は韓国戦の時、"一人ワンツー"で相手のスライディングを躱したことがあったよね」
「うわっ、よく知ってるね」
「あれも厳密には完成された技ではなかったけれど、それでも君は敵のディフェンスを掻い潜ることができた。つまり、じっくりと物を見て基礎能力を身に付ければ、君には今まで以上の伸び代があるってことだよ」
落ち着いた声色で、けれど捲し立てるように並べられた言葉たちに、ほたるは思わずたじろぐ。
──野坂の真意が読めない。彼の求めているであろう返事が、全く分からない。
「そっ、か。まあ、評価してもらえるのはたしかに嬉しいことだけど。でも、多分……いや、絶対にそれは買い被りすぎだと思う」
「どうして？」
「ど、"どうして"？！」
まさかの切り返しに、開いた口が塞がらない。ほたるは戸惑いを見せながらも、なんとか彼の問いに答えようと努める。
「どうしても何も、私はサッカー初心者で、今まで一度も触れてきたことがなくて。そんな私がそれなりにサッカーできるかも、とか、普通に考えてあり得ないっていうか」
「君にしては、随分短絡的な発想に思えるけど」
「"君にしては"って。何を
ほたるはいよいよ驚きや戸惑いを通り越して、呆れ返ったようにそう言った。
少しでもこの妙な雰囲気を打開しようと冗談めかして言葉を伝えたつもりだったのに、野坂の口からは容赦なく更なる爆弾が投下される。
「少なくとも、ほたるさんよりはほたるさん自身のことを知っているだろうね」
「……はあ！？！」
相も変わらず彼の口角は上がったまま。頭上に無数の疑問符を並べるしかないほたるをよそに、野坂は話を済ませるなり「それじゃあ、僕は風丸さんと吹雪さんに話があるから」とほたるの前からフェードアウトしてしまった。
その場に取り残されたほたるは、やはり「なんっ……なんて？？？」と困惑するしかなかった。
「──風丸さん、吹雪さん、すみません。次の試合では、お願いしたい重要な役割があるんです」
その１０６：いかにもなスイッチですね→←その１０４：話したいなら話したいって言え
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coopee - 初めてコメントさせていただきます！久々にイナイレの占ツクをあさっていたら、まさかこんなにも素敵な作品に出会えるとは思ってもいませんでした。主さんのペースで、完結まで頑張ってください！ (2021年2月18日 17時) (
レス) id: 2eec394d2f (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - わぁぁぁぁ！！！続きが更新されてる…！！！楽しみにしてました！！！更新ありがとうございます！！！変な時間に申し訳ございません。これからも無理せず頑張ってください！ (2021年1月25日 2時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 奏さん» 大変長らくお待たせしました…！！変なところで切ってしまってごめんなさい；超マイペースではありますが、これからも完結目指してなんとか頑張っていこうと思います…！コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 華兎くんさん» ご心配をおかけしました…！長い間お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ゆめのわたしさん» コメントありがとうございます。大変長らくお待たせいたしました…！完結までお届けできるよう、これからも頑張っていきます…！！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2020年5月1日 21時
