必死のパッチ！

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*エースside




しょーもな。


なんもかもしょーもない。


見え見えの媚売りながら勝手に寄ってくる香水臭い女も、


弱いのに粋がって絡んできよる奴も。




唯一強い奴と喧嘩しとる時だけそれを忘れられる。
何も考えんと目の前の相手を倒す事だけ考える。

…腹立つ事に、ガムにはまだ勝たれへんけど、
俺のこのやり場のないモヤモヤを分かってるんか
黙って相手してくれとる…そこだけは感謝したるわ。
次は勝つけど。


足元に転がる邪魔なヤンキーを蹴って、ネオンがギラギラ光る空を見上げる。
さっき聞いた次の仕事の内容が頭に浮かぶ。


相手はホンモン。多分俺より強い奴いっぱいおるんやろう。
そうこな…弱い奴相手にしたかて何もおもんない。

せやから俺はそう悪い仕事やないと思ってるけど、アーセナルが言うた通り
慎重派のマックやジャッキーが受ける依頼にしては、珍しい案件っていうのは解る。
依頼人の相手も直接会わんまま、メールだけらしいし。
そんなんめっちゃ胡散臭いやん。


この業界どこで足元すくわれるかわからへん。
そんで、ここで足元すくわれるっていうのは下手したら死を意味する。



乗り気じゃないジョニーはいつも通りとして、

何か言いたげなトッポと、マックの顔が気になる。

アーセナルも何となく怪しいと気づいとるやろ。

…ガムは多分気づいてへん。アイツあほやし。



そのアホ…ガムと互角にやりあえてた奴。俺が施設でもう１人かなわん奴。
普段ヘラヘラあほみたいに笑って、俺らの周りうろちょろしとる癖に、
キレたらそんじょそこらの奴じゃ相手にならんくらい強い。


ガムは俺が倒すべき相手や。

ほんで、アイツは俺が超えなあかん存在。


…やって、守らなあかん奴より弱いって話にならんやん？



深夜の繁華街、派手な女が次々と声をかけてくるのを舌打ちしながら睨む。
つまらん奴には掃いて捨てる程会うのに、
こんなに会いたい奴には全く会われへん。
カミサマは不公平や。



ドンッ
右肩に強い衝撃。



「痛ってぇな〜…おいゴルァ、兄ちゃん…どこに目ぇつけとんねん…」





ああ…ほんま…


バキッ！！




周りの通行人から聞こえる悲鳴。
殴られた男は腹を抑えながら意味のわからん呻き声を上げとる。
ツレも数分で地面に転がして、見下すように笑う。
鼻血を流す顔を踏んで、舐めてたあめちゃんの棒を地面に落とした。




「ほんっま、しょーもないわ…。」

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